2013.9月 スペイン・ポルトガル旅行記

東京教室の生徒さん、MMさんによる旅行記です。

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 今回の旅行で訪れた街の中から、あまりメジャーではないタイルの街を3箇所紹介します。

グアダルーペ(スペイン)

 マドリッドからバスで約4時間、人口2000人ほどの、エストレマドゥラ地方の山間の村です。
 この小さな村には、大きくて立派な修道院が建っています。
 昔(1300~1400年頃)牛飼いが聖母像(黒いお顔のマリア様)を発見し、それが修道院の起源になったとのことです。

 私がこの村を訪れた目的は、黒と緑のタイルが多用された、15世紀の病院を利用したホテルに泊まることでした。
 実はこのホテル、16年前にも泊まりました。その時はまだスペインタイル絵付けは習っていなかったので、
 タイルの写真をあまりとらずに後悔していて、ずっと再訪したかった場所でした。


ホテル中庭の噴水   


ホテルのサロンにあった大きな組タイル
  左のタイルは教室の作品展用に参考としたタイルです。16年ぶりに再会して感激しました。
 実物より大分縮小して絵付けしました。


ホテルの食堂にあった組タイル

ホテルの部屋の中にも
小さな黒いマリア様のタイルがありました

 

宿泊した部屋の扉

 上に1枚のタイルがあります。
 各部屋の扉にタイルが貼られていて、全部柄が違うんです。
 各部屋の写真を全部撮影したらすごい枚数になってしまいました。

 
ホテルの廊下にあったタイル

お土産屋さんの写真
左はクエルダセカオイルのマグネット。モチーフは、黒いマリア様、修道院、こうのとり。タイルの形がかわいいですね。
真ん中は陶器のどんぐりの貯金箱。この地方は、どんぐりを食べる黒豚の生ハムが有名なのです。
右は黒いマリア様モチーフのお皿。

 

修道院外観

 内部は撮影禁止で、ガイド付きの見学のみです。
 16年前に見学したので、見学しようか迷ったのですが、せっかくここまで来たので再訪しました。
 面白かったのが16年前は豪華な展示物ばかりに注目していましたが、今回はすり減った床タイルや壁面のタイルなど、タイルばかりみていたこと。本物のアンティークタイルに歴史を感じました。



村の様子です。だいぶ新しくなってしまった建物もありましたが、古い雰囲気のところも残っていました。

エル・プエンテ・デル・アルソビスポ(スペイン)

 マドリッド近郊の陶器で有名な街タラベラ・デ・ラ・レイナから、30数キロ離れたところにある人口1400人ほどの村です。
 ベルデコブレ(酸化銅を使った緑のタイル)が有名です。


村の名前が書かれた大きな看板タイル


村のバス停 かわいいタイルがたくさん


ちょっとわかりにくいのですが、メイン通りに等間隔に石碑のようなものがあり、
そこに組タイルが貼り付けられていました。
    右の2つはそのアップ写真。緑が本当にきれいでした。


歩道にもタイルがありました


左の写真のアップ



ちょっと地味ですが、渋いです。
最初気が付きませんでした。

広場の噴水と椅子のタイルがとても素敵でした。

 

水飲み場のタイルもパステル調で雰囲気が違って
よかったのですが、訪問した日が土曜日で
この通りに市が立っていて、
このタイルの前にも商品が置いてありました。


足元の歩道だけではなく、壁にもタイルがありました。

陶器店入り口の組タイル 緑がとても美しいです。

村の近くのタホ河にかかる橋が絵になります。


村の広場

バルセロス(ポルトガル)

 ポルトガル北部の街で陶器が名産。毎週木曜日に開かれる大規模露天市とポルトガルのシンボルである雄鶏の【雄鶏伝説】で有名です。
 
  雄鶏伝説………昔、巡礼者が無実の罪をきせられて、縛り首にされることになりました。
         巡礼者の男性に判決を下した裁判官がローストチキンを食べようとしたところに、
         巡礼者が訪れ、無実の証明としてこの鳥を皿から起き上がらせ、
         鳴かせてみせると言いました。この奇跡は、本当に起きて巡礼者は助かりました。
         その後、この巡礼者は街にもどり聖ヤコブに捧げ十字架を掘りました。

 私はもちろん露天市にスケジュールを合わせて、この町を訪問しました。
 露天市は大きな広場にいっぱいに、名産の陶器をはじめ食料品、衣類、日用品、大きな家具までありました。
 全部のお店を見ると半日はかかってしまいそう。たくさんの雄鶏グッズも売っておりました。
 
 またいくつかある教会の中のアズレージョも見事でしたが、内部は撮影禁止となっておりました。
 
 陶器美術館もありました。
 地元の陶器作家の陶人形がたくさんあり、カラフルな色使いや楽しいモチーフをとても興味深く見学しました。
 残念ながらここも内部撮影禁止でした。

 


 露天市がひらかれる広場の脇に
 このような飾りがたくさん並んでいました。
 とても華やかでした。


露天市の写真。
売られている陶器は、茶色の素朴なものが多かったです。
もちろん雄鶏グッズもたくさんありました。



子豚の丸焼きをモチーフにしたもの。
ユーモアがありますよね。

この写真の茶色い雄鶏、私も購入しました。

カラフルでユーモアあふれる陶人形たち



このように建物の壁に埋め込まれて
  いる陶人形もありました。


町の中に色々な大きな雄鶏がいました。真ん中は顔入れ雄鶏。右は美術館前の雄鶏。


街中の風景。手入れされた庭園が印象的でした。

青いタイルの建物


教会

プエンテ村と同じように、川が流れていました。
陶器の産地は良い土が必要で川は必須なのでしょうか?
タラベラも川が流れていましたし。

町の風景、川と橋が描かれたアズレージョ



 

 

この十字架が伝説の十字架だと言われています。

 

 

 最後に今回の旅で購入してきた物をご紹介します。

 左列の2つが、エル・プエンテ・デル・アルソビスボで購入したもの。
 奥が jarro(ハーロ)という牛の形をした水差しです。頭の穴から水を入れて、とんがった赤い口から注ぎます。かわいい形に一目ぼれでした。首に巻いている赤い紙は、お店の人によると、サン・フェルミン(牛追い祭り)のシンボルの赤いネッカチーフとのことでした。手前は、女性の形をしたミニベルです。

 中央列の2つは、タラベラ・デ・ラ・レイナで購入したもの。鮮やかな黄色が特徴です。

 右列の2つは、ポルトガルで購入したもの。手前の雄鶏は、バルセロスの露天市で購入したもの。後ろのアズレージョのお皿は、宿泊した城塞都市の絵柄と周りに空いた穴が気に入りました。穴が1つおきにハート型になっています。わかりますか?

 1つ後悔していることがあります。折角バルセロスまで行ったのに、有名な陶人形を購入してこなかったこと。非常に残念ですが、写真で我慢します。

2013.10  MM  タイル絵付け歴 約9年