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バレンシア教室のあるバレンシア、トレンテを中心にスペインらしい(?)
楽しい、時には真面目なごくごく身近な日常のニュースを毎月一度お届けします。
遠く離れた皆様に少しでもバレンシアの温かい雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【2001年1月号】
11月末から12月のバレンシアは日中気温が20度近くまであったりと冬とは思えない程穏やかな日々でした。 でも気分は街中クリスマス!EL CORTE INGLES(デパート)前の広場には11月末から早々とクリスマスツリーやbelenes(キリスト降誕の場面を表現した人形)を売る店がたち並んでいます。またその広場全体もキリスト降誕の場面を表現したクリスマス装飾で彩られており、本物のラクダや羊がいたりと私達の目を楽しませてくれています。(バレンシア在住/柳川佳代)

「FIESTA DE LA NAVIDAD Y CABALGATA DE REYES」
(バレンシアのクリスマス、年末年始の過し方)

バレンシアも他の都市と同じように12月になると街全体がNAVIDAD(クリスマス)の装いになります。 バレンシア市の伝統で、2つの「arbol de navidad」(クリスマスツリー)と「belenes」(キリスト降誕の場面を表現した人形)が1つはAyuntamimento(市役所)の中に、もう1つは私達の目を楽しませる為にAyuntamimento(市役所)の外に設置されます。もちろん各家庭にも独自のarbol de navidad(クリスマスツリー)やbelenes(キリスト降誕の場面を表現した人形)が翌年の1月6日まで飾られます。 また各団体が参加して「arbol de navidad」「belenes」のコンクールも開催されその美しさを競います。近年では全自動で動く「belenes」も登場し私達をより楽しませてくれようになりました。

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12月24日は「NOCHE BUENA」(クリスマスイブ)。家族と夕食をともにしながらこの日を祝います。 その夕食は各家庭毎に多少異なりますが、大半は海老等の魚介類で、私の参加したパーティでも 炒めた海老、揚げた海老、茹でた海老…等海老づくし。そして食後には「TURRON」(アーモンド、クルミ、糖蜜等で作られた菓子)というスペイン特有のこの伝統菓子を食べるんです。この日にはどのスペイン家庭にも「TURRON」は欠かす事はできません。11月中旬も過ぎればデパート、スーパー等の店頭に「TURRON」コーナーが設置され、私達に冬の訪れを感じさせます。また日本のように恋人達で過ごすような習慣はあまりなく、恋人がいる場合は恋人を我が家に招待する等して、この日は家族で祝い過ごします。
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12月31日「NOCHE VIEJA」(大みそか)。新年も他の都市と同じように祝います。 昔はバレンシアのAyuntamiento(市役所)でも新年を迎える鐘を12回打っていましたが、近年はこの伝統行事がなくなってしまいました。しかしここ2~3年で、少しづつですがこの伝統が復活しつつあります。ちなみに首都マドリッドはこの伝統を失う事なく毎年「NOCHE VIEJA」には12回の鐘が新年を迎え続けています。 またこの日は家族で夕食とは限らず、年令性別に関係なく恋人同志、友人同志等でレストラン、ディスコ…等 FIESTA(パーティ)好きのスペイン人らしく思いのままに楽しく過ごします。どの会場でも鼻めがね、三角帽子…といった所謂パーティ変装グッズが容易されていて、せっかくオシャレしてきてるのに、みんな楽しそうにそれらを身につけます。そしてレストラン、ディスコであっても新年を迎える直前には12粒のブドウを1秒に1個のペースで食べます。ブドウには種も皮もあるので1秒に1個はなかなか厳しい。新年を迎えたと同時にディスコはもちろん、レストランでも大ダンス大会になり、ちびっ子~御年配の方までごちゃまぜになって明け方まで踊り楽しみます。
1月1日は日本なら新年の始めだけでもキチンとしよう、なんて感覚ですが、元旦の朝は通りに人陰は少なくとても静かで31日に踊り疲れた人々は自宅で寝て過ごすようです。勤務先等で異なりますが通常12月24日~1月1日がクリスマス休暇で、踊って疲れた後はすぐに仕事が開始!スペインのお正月は短いのです!お正月は厳粛な雰囲気でしかも1月3日まで祝える日本のお正月の方が私は好みかな…。
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またスペインの1月6日は「CABALGATA DE REYES」という外国のクリスマスでサンタクロースが子供達はプレゼントをもらえるのと同じようにスペインの子供達も「REYES」(3人の王様)からプレゼントをもらう事ができます。近年では外国からクリスマス文化がスペインにも入ってきましたが、この「CABALGATA DE REYES」はとてもスペインの伝統的な祝日で子供達が最も楽しみにしている日と言って過言ではありません。 バレンシアでは王様の扮装をした者達が海の方から現れパレード用のカートにのり飴をまきながらバレンシアのAyuntamientoに向かいながら街中を巡ります。そしてパレードの終点Ayuntamientoでは子供達は自分が何が欲しい~と書いた手紙を王様達に手渡し、その晩は高鳴る鼓動をおさえながら眠りにつき翌朝の王様からのプレゼントを待ちます。バレンシアに限らず地元の町村ごとに、王様パレードは行われます。そしてこの日には「ROSCON DE REYES」というケーキを食します。各家庭にもよりますが、大抵は12月のクリスマスにプレゼントの習慣はあまりなく、スペインの子供達はこの日にプレゼントをもらえる方が一般的で、また子供達だけに限らず恋人達、家族内でもこの日にプレゼント交換する事もあるようです。
プレゼントついでに…日本では部下が上司に御歳暮を贈る習慣がありますが、スペインは逆で上司が日頃世話になった感謝の意を込め、ハム、ワイン等を贈ります。普通は上司の方が部下よりお金持ちなんだし、日頃 上司を世話ばかりしてる方も多いのでは?これはなかなか良い伝統ですね。日本にも輸入されないかしら?