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バレンシア教室のあるバレンシア、トレンテを中心にスペインらしい(?)
楽しい、時には真面目なごくごく身近な日常のニュースを隔月に一度お届けします。
遠く離れた日本の皆さんに少しでもバレンシアの温かい雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【2002年9・10月号】
スペイン人の夏休みは、田舎で過ごしたり海辺のアパートを借りてゆったり滞在したり 慌ただしい日本人の夏休みとはちょっと違うようです。日中は焼き鳥になるんじゃないか? って程太陽がジリジリ肌を焦がすのがわかります。まだまだ暑いバレンシア。 今回はバレンシアの夏の訪れ、身近な夏をご紹介します。(バレンシア在住 柳川佳代)

バレンシアの夏
「SAN JUAN」(サンファン)

日本の夏は梅雨明けから始まりますね。5月から暑かったバレンシアですが 6/24の「SAN JUAN」(サンファン)とともに本格的な夏を迎えます。
「SAN JUAN」(サンファン)はスペイン全土のお祝の日ですが聖人が「SAN JUAN」(サンファン)である アリカンテでは特に盛大にこの日を祝います。3月のバレンシア火祭りのように張りぼて人形で街を飾り 最終日には燃やします。バレンシアの火祭りがスペインに春の始まりを知らせ、アリカンテの火祭りが夏の 始まりを知らせると言う事ですね。日本で言えば夏至を意味するこの日を祝う歴史は大変長く 、特に16、17世紀には最も盛大だったと言われています。夏至のこの日を賑やかに迎えるというのは 太陽の国スペインらしいお祭りですね。
夏休み前にはバレンシアのちびっ子も期末テストに悩まされ、落第点を取れば9月からの新学期に進級できないという厳しい現実も。 夏休み前にせっせと勉強し期末試験を突破した子供も、やっと追試を突破した子供達も待ちに待った6/24に最も近い週末から(今年は6/21金曜日が終業式)長い夏休みが始まります!

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verano2.jpg トレンテの小学校では、前期終了日の夜9時から子供の家族、友人、近所の人が校庭に集まり大夕食会が開催されます。校庭には長テーブルが並び、どこのテーブルにもみんなが持ち寄ったボッカティジョ(スペイン風サンドイッチ)、ハム、チーズ、オリーブ、スペイン風コロッケ、もちろんワイン!ビール!でいっぱい。食後のデザートまであり。美味しい物を食べて、飲んで、気の合う仲間、家族と大好きなおしゃべりをして夜風が気持良い中長いスペインの夜を過ごします。写真撮影時は夜10時近く。でもこんなにまだ明るいんですよ。
夜11時となれば大ディスコ大会!日本で言えば…盆踊りラテン版?! 曲はもちろんラテン!!曲のイントロを耳にするなりちびっ子は ダンス会場へまっしぐら!さすがラテンの子!どの子供達も踊りは抜群!腰の使い方が最高! おまけにここは小学校か?と驚く位の照明設備。おまけにスモークまでたかれちゃって後半には父母達も 踊りに参加の大ディスコ大会となります。
翌日の土曜日、特に6/24「SAN JUAN」(サンファン)前日の日曜日には夜、屋外で夕食をするという「VERBENA」と言う習慣があります。身近な所では自宅のバルコニー、トレンテの大通り、公園、 または近くの海岸で家族、友人等と料理を持ち寄り夕食会が開かれます。バレンシアの人は外での食事、 お茶が大好きで、週末の夏の夜となるとどこのBARの屋外席も満杯です。まるでこの日を境に外での食事が正式解禁になったように屋外で夕食を楽しむ人がどっと増えます。この時期、夜風はまだ涼しいのでまだちょっとビールを飲むと寒いですが…。
またこんな習慣もあります。海岸でたき火を1回またぎ、夜中12時になったら足だけ海に入って、3回波を足に当てます。その3回の波の間に1つの願い事を思うと願いが叶い幸せになると言われているそうです。特に日曜日のバレンシアのマルバロッサ海岸では多くの人が集まり賑やかにこんなことをしてるんです。「日曜日の深夜に海にくり出すのは翌日仕事のない若者だけだよ…」と語る地元の人もいて、今日では宗教的な意味よりも若者の娯楽の色が強いようですが。
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mercado.jpg 「EL MERCADO」(朝市場)
トレンテの日常生活でも朝市で夏の始まりを感じる事ができます。 朝市は毎週土曜日の朝から2時頃まで。野菜、洋服、靴、日用品、インテリア…等 大型スーパーなみの品揃えのこの朝市場は近郊でも有名で、トレンテ以外からも買い物に来る人がいる程です。特に野菜はスーパーより新鮮で安い!500円もあれば持ちきれない野菜を買う事ができます。 例えばじゃがいも1kg約30円、トマト2kg約100円、なす1kg約100円…等。 6月中旬まではイチゴも見かけられましたが、6月末、7月にはサクランボ、モモ、メロン、スイカが 朝市場でも目立つようになります。サクランボも2kg約150円、メロン、スイカも1玉約200円弱 と大変安いです。最近は日本のように丸い線のあるメロンも見かけるようになりましたが、 スペインのメロンはラグビーボール型の瓜っぽいさわやかな甘さでスペイン人も食後によく食べます。 スイカは種なしスイカが日本より多く出回ってるようで、細かい事が嫌いそうなスペイン人の好みなのでしょうか?全て買い物はkg単位で買うので買い物が終わる頃には手がちぎれそうになりますよ。
赤ちゃんからご年配用までの洋服、下着、おしゃれグッズ、今の季節なら水着までも揃っています。 若者コーナーではへんてこ漢字Tシャツが目立ち約700円。ブラジャーも大胆に店先で試着(洋服の上から) してる光景も見られます。当初は「だっさーい」と小バカにしていた私ですが、トレンテ市民はかなりこの朝市場ファッション部門を利用しているようです。安く、手軽に買える面白さは魅力で私も「朝市場で事が済むならいいじゃない」と東京では味わえない素朴なトレンテの生活が好きになりました。
値段表示していない店では予め値段も聞いていくつかの店を比較してから買うのをお勧めします。言葉のわからない東洋人だからと言って値段をふっかけられたり、最悪の場合は偽札、古いお金などよこす場合があります。ジプシーも集まるので盗難等にも注意して買い物して下さい。
日本の店頭より季節感を感じる事のできるトレンテの朝市場、エルベダットからはバスに乗り約10分程度。一番始めのスーパー「MERCADONA」が見えたら下車すぐです。
場所:PINTOR RENAU通り周辺。 ※地図参照
トレンテ★オススメ地図
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