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バレンシア教室のあるバレンシア、トレンテを中心にスペインらしい(?)
楽しい、時には真面目なごくごく身近な日常のニュースを隔月に一度お届けします。
遠く離れた皆様に少しでもバレンシアの温かい雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【2003年2・3月号】
3月になりました。バレンシアでは暖かい日と雨の日を繰り返しながら本格的な春の一歩手前。 バレンシアの街中で春の火祭り(3/16~19)に向け、張り子人形、イルミネーション の設置など着々と準備がすすんでいます。(バレンシア在住 柳川佳代)


バレンシア冬の終わり・春の訪れ
「LA FIESTA DE SAN BLAS」
(TORRENTの祝日)

太陽の国と言えど2月はとても寒く(1年で一番寒い?)3月の火祭りを待ち遠しく思いながら 自宅でぬくぬくと暖かく過ごしている事の多い日々ですが、さすが、世界で最もお祭りの多いスペイン! 2月にもお祭りはあります。毎年2月3日はバレンシア教室のある街トレンテだけの祝日。「LA FIESTA DE SAN BLAS」です。トレンテの聖人であるBLASをお祝いするこのお祭り、トレンテの小学校だけこの日はお休み。子供の世界では男の子はこの日、ゴム付きの小さいボール(ヨーヨー)を持ち歩き、出逢った女の子または大人の女性へあたりかまわずこのボールをぶつけてきます。ぶつけられ役の女の子はなんともかわいそうな日ですが、ご安心を。女の子はハサミを持ち歩きボールをぶつけられる前にボールに付いているゴムをチョキン!と切ります。スペイン版駄菓子屋などでこのボールを売っていましたが、このように遊ぶ子供は実際には随分減ってしまったようです。でもなんとも面白い伝統的な遊びですよね。
またこの日はステッキ型のパンを食べる習慣があり各パン屋さんの店内に並びます。 家庭ではこのパンと一緒に土鍋で炊いたスペイン風炊き込み御飯も食べるんですよ。

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haru1 この日は1日中、トレンテ市役所からメインの教会界隈でスペイン風屋台や移動遊園地が並び、 朝から夜遅くまでトレンテ人が街へくりだしてお祭りの屋台を楽しみます。 日本と同じように綿飴、リンゴ飴、射的屋が並んだり、スペインならではの移動BAR(軽食が食べられる)、いろんな種類のオリーブ漬け等を販売する屋台(上の写真)もところ狭しと並びます。最も目をひくのが ビンゴ屋。特設ステージに昼間になったかと思う位の強い照明がついてステージに並んだビンゴ商品を照らし、言葉巧みな司会者の話術でビンゴ参加者を集います。ビンゴ商品はスペインらしい生ハム足1本!から電化製品やら、ぬいぐるみ等庶民の心をくすぐる商品勢ぞろい。料金は参加回数によって違ったり、各屋台によって少しゲーム方法が異なっていたりしますが、どこも気軽に誰でも楽しむ事ができます。まあ本当に当るのか否かは別として…。移動遊園地には本物のポニーが回る回転本物馬があり子供達は大喜び。私もちょっと乗ってみたかった…。
haru4 トレンテではその晩7時30分に市民の仮装行列希望者が集合し、トレンテ市内を楽団を従え陽気に楽しく 練り歩きます。魔女の格好や、今年は年末に起きたガリシア沖の重油流出の清掃員に扮し事件を風刺した仮装グループや反戦争を訴えるグループなども見かけました。ですが、心は楽しい事大好きなスペイン人 お酒をあおりながら陽気に歩く人や、見物人にも仮装マスクを配る人達など最後の冬の日を惜しみ、楽しみました。
「LAS FALLSの始まり」(火祭り)

カーニバルの翌日からもうバレンシアは春です。メインは3月16日~19日の火祭りですが、実際には 1月24日から主な活動が始まります。3月1日~最終日19日まで毎日午後2時にマスクレタという爆竹イベントが始まり激しい爆竹音が鳴り響きます。このマスクレタが始まるとバレンシア人はもう火祭りだ、春だと意識するようで彼らにとってとても大切な春の知らせなのです。
今年は3月1、2日が週末だったせいもあり、マスクレタのメイン会場であるバレンシアの市役所前では観光客、見物客が午後2時の爆竹ショー見たさに大勢集まりました。開始1時間程前から集まりだし、見物に最適な場所を確保。2時からの数分間の爆竹ショー「マスクレタ」が始まると地響きは起きるし、歓喜感動の歓声も手伝って周囲は熱気で包まれます。またこの時期子供達はねずみ花火のような爆竹を投げて路上で遊んでいるので路上を歩いているとその音に幾度もびっくりさせられます。
張り子人形設置場やイルミネーション設置等、またチュロス(細長い揚げドーナッツ)&チョコレートの屋台も出始め、日毎に火祭りの準備が進むにつれてバレンシア人の心も高鳴っていきます。

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