スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

おながわ教室便り

宮城県女川町の女川教室より 工房や街のことなど、女川情報を隔月でお届けします。バックナンバーはこちら

【2024年6月号】
女川ではウニがおいしい季節になりました。 海水温が上がっているからなのか時期が早まっているそうです。 海の幸を求めて天気の良い土日は観光客が多く見られます。
今回私は雄勝町の「防潮堤壁画アート」を見に行ってきました。(女川教室 阿部由妃乃) バックナンバーはこちら

女川町のとなり石巻市雄勝(おがつ)町に向かって女川から車で20分位走っていくと見えてくるのが、津波から住民を守るための巨大な防潮堤。
そして、そこに描かれたアート作品。

その名も「海岸線の美術館」です。

このプロジェクトを始められた方は、震災後に雄勝町を訪れた時に建設中だった巨大な防潮堤に圧倒されたそうです。

海岸沿いに3.5km続く、最大約10mの防潮堤。

住民の暮らしを守ってくれる大事な壁ではあるけれど、日常だった海の景色を遮る…住民からはマイナスイメージも多くあったそうです。
報道では、雄勝は「壁に囲まれてしまった町」と言われることもありました。

負の遺産にしたくない、外からも人を呼ぶ存在になればいいと、住民と行政を巻き込んでプロジェクトが始まりました。

新しい風景を生み出すことで人と防潮堤の新たな関係を築いていく。
「海岸線の美術館」というネーミングもコンセプトも素敵だなと思いました。

(右の画像はクリックで拡大します)

こちらは雄勝の各浜の風景をミックスした絵で、左から「夕→昼→朝→夜」となっているそう。
描かれたのはアーティストの安井鷹之介さん。
下地は住民の皆さんも一緒に塗ったそうです。

この日は小雨が降る曇り空でしたが、屋外なので季節や天候、時間によって見え方が変わるとのこと。それもまた面白いですね。

アップ写真。

(右の画像はクリックで拡大します)

こちらは船頭にてロープをくくる漁師のワンシーン。

ゴツゴツした防潮堤のパレットとたくましい漁師の背中が相まって迫力がありました!

(右の画像はクリックで拡大します)

防潮堤の裏側の景色。

ここ雄勝町の名産はホタテや牡蠣、これからはホヤやウニがおいしい季節になりますよ。

これからもっとアートが増えていくのかな? ワクワクするとても素敵な取り組みだと思いました!

海岸線の美術館
https://kaigansennobijutsukan.com/

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