スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

おながわ教室便り

宮城県女川町の女川教室より 工房や街のことなど、女川情報を隔月でお届けします。バックナンバーはこちら

【2024年2月号】
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

元日から痛ましい出来事が重なり、13年前の東日本大震災の記憶が蘇りました。能登半島地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日でも早く平穏な生活に戻られますことをお祈りしています。
今回は、石巻の震災遺構のご紹介です。(女川教室 阿部由妃乃) バックナンバーはこちら

女川町をぐるっと囲う石巻(いしのまき)市は北上川の河口に位置する、宮城県で仙台の次に人口が多い都市。
三年続けてお参りすると一生お金に不自由しないと言われる「金華山黄金山神社」や、仮面ライダーやサイボーグ009を生み出したマンガ家・石ノ森章太郎氏の「石ノ森萬画館」などが有名です。

「石巻市震災遺構 門脇小学校」

"門脇小学校は津波火災による被災状況を残す全国で唯一の震災遺構として、平時における訓練の重要性や避難の在り方を考えてもらうとともに、生命の尊さや自然と共に生きることの意味を改めて知ることの大切さを伝えています"

石巻市震災遺構ホームページ
https://www.ishinomakiikou.net/

2011年3月11日、大きな揺れが始まり学校にいた児童・教職員は校庭に避難。約1時間後の大津波襲来時には校舎の裏山、高台である日和山への避難で全員助かりました。
校舎2階の窓から裏山へは少し距離があり、渡る方法として教壇を橋として使ったそうです。

1階の天井に近い1.8メートルの津波が押し寄せ、さらに流されてきた車や住宅から引火して津波火災が起きました。

時計もそのまま残されています。

被災して黒く焼け焦げた樹木は時が経ち、根元から新しい生命が生まれ力強く成長しています。

施設案内。

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門脇小学校は、唯一津波と津波火災に見舞われた校舎の内部を見学することができる震災遺構です。

教室

灰色の世界。
当時の様子がフラッシュバックされます。
感じ取る色々な想いがあると思います。

ここからは展示館。
児童・教職員のリアルな声や、パネルを見ていくと様子が浮かんできます。

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学校に残された下駄箱や黒板、天板・座面・背板が焼け落ちた机と椅子の展示室。

屋内運動場には仮設住宅の展示がありました。実際に使われていたもので床材も当時のままです。

見学者がいたので中の写真は撮れませんでしたが、家具や電化製品も置かれていて当時の生活風景の様子を感じることができます。

被災した車両の展示。

地震発生後、車両を出そうとしたがシャッターが地震によって歪んで開かず、津波に流されて60メートル地点で大破した状態で見つかったというポンプ車両。

日和山へ避難した児童や住民は助かりましたが、学校の校庭に集まった多くの住民が被害に遭い、この南浜・門脇地区では500人以上が犠牲になりました。

震災遺構門脇小学校は、避難を考える時に垂直避難だけでは難しい一面があることを伝えています。

正直足を運んで当時の様子を見るのは心が重かったのですが、実際に目で見て津波火災の恐ろしさを改めて体感しました。起きたことを学んで教訓を伝えていくことが重要と感じています。

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