スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

2019.4〜5月 スペイン・ポルトガル タイル巡り
第7回 リスボン (ポルトガル)

リスボン

ポルトガルの首都です。今回私はファーロから電車で3時間半かけていきました。

リスボンには2つの目的があり、1つめはアズレージョ美術館を見ること。タイル絵付けをされている方は是非行くことをお薦めします。

美術館には色々な場所から集められたタイルが所せましと展示されています。本来ならばあるべき場所で見る(例えば修道院のタイルは修道院で見る)のが1番だと思いますが、限られた旅行時間の中では難しいと思います。この美術館なら一度にたくさんのタイルが見られるので本当にお薦めです。写真撮影も自由にできます。

アズレージョ美術館は日本のガイドブックにもよく掲載されていますので今回紹介はしませんが、訪問する際に1つ注意事項があります。

スペインのように美術館は長時間の休憩時間がなく見学しやすいです。しかし売店は長時間の休憩時間をとります。
今回は確か13時から15時半までお休みでした。

私が見学終わったのが14時前で、絶対にタイルの本を購入することを決めていたので、休憩時間の張り紙をみてくらっときました。多くの見学者が売店を張り紙をみてがっくりとした様子を見て、もったいないなと感じたのは日本人だからでしょうか?

時間をつぶすといっても美術館は街はずれにあり、近くに見学場所もなくカフェなどもありません。売店を見たい方は訪問時間にご注意ください。

マルケゼス・デ・フロンテイラ宮殿 (Palacio dos Marqueses de Fronteira)

2つめの目的地です。1670年建造、初代フロンテイラ侯爵の狩猟の館です。

館内は一般に公開されているのは一部で、ガイド付きのツアーでまわり写真撮影は禁止です。広い庭だけの自由見学もできます。(庭は撮影できます)
館内にも庭にもアズレージョがあふれていました。宮殿にはまだファミリーの方々が暮らしています。



ガイド付きツアーの集合場所のタイル
集合場所のタイルアップ写真
庭から見た建物正面
庭園はとても手入れが行き届いています。
池の後ろには、タイルや彫刻で装飾された建物があります


両脇には階段があります。階段の側面にもタイルがあります。
石造りと青一色のタイルの雰囲気がとても合います。


下部分のアップ

ここからはメインの赤い建物から続くテラスのタイルです。
同じように彫刻と青一色のタイルで装飾されています。
上部の彫刻の周りは陶器で作られた
果実・葉等で円形に囲まれています。
彫像と彫像の間には大きな人物のタイル

中央の木に鳥が何羽もとまっているタイル
よく見ると下の方の鳥は人の顔になっています
人物のタイルの上部には立体的な動物の陶器があります。
よく見ると左側に象が描かれています。

石造りに青一色のタイルが続きます。
椅子になっているのがいいですね。動物のモチーフが多いです。
石のベンチの下にもタイルがあり
覗き込んで写真をとるのが楽しかったです。






テラスに続く小さな建物。
入口上部は先ほど彫刻の周りを装飾していたものと同じ、
陶器で作られた果実・葉等で装飾されています。
彫刻をアップで見ると大きな貝があり、
隙間を小さな貝で埋めているのがわかります

小さな建物の内部。上部はやはり貝殻で装飾されており
その下はタイル装飾されています。
上部の貝の装飾が見事です。
貝の装飾をアップで見ると、貝の中に青の小皿がはめこまれています。
また所々に青く見えているのは、青い陶器を割ってモザイクの
ようにして貼ったもの。陶器と貝のコラボ装飾、初めて見ました。
同様の装飾が続きます。タイルの緑色はベルデコブレ(酸化銅)を
使用しているかもしれません。古い雰囲気がでています。




噴水は水が入っていませんでした。
噴水側面には水の中を泳いでいる魚が描かれています。
噴水の周りには長いベンチがあり
背中の部分に黄色を使用したタイル画があります。

赤いメインの建物の外壁のタイル。
窓を囲むようにタイルが貼ってあります






真ん中の人物が顔に黒いマスクをしています。
その人に足が描かれていないのが気になりました。
縦長のタイルには上半身が人間で
下半身が魚類を思わせる絵が多くありました。




オーソドックスな青一色のタイル


庭園内にあった縦長タイル


ポルトガルでよく見られる花瓶から溢れるような花々が
描かれています。階段に合わせて花瓶とお花がだんだん大きく
描かれているのが面白いですね。



子供の背中に虫の羽のようなものがあり
下半身が動物のようにも描かれています
庭園の端にも長い石のベンチがあり、青一色のタイルが続いています。四季を表している絵もありました。






星座を表しているようです。こちらは射手座のようです。
双子座のようです
蠍座のようです
魚座のようです

街中のタイルと街の様子


タイルの壁面と洗濯物。ポルトガルの定番の絵ですね。

青系の壁面のタイルが多い中、赤い花が珍しいと思い
アップ写真をみたらブドウの蔓も絡まっていました。


リスボンで最も古い街並みが残るアルファマ地区の地図のタイル 
展望台にあったタイル。展望台からは、テージョ河が見えます。



街中のタイル



お土産やさんのショーウィンドウ。
ポルトガルはイワシが有名なので、イワシ柄のタイルがありました。
アルファマ地区の狭い通り

カモの炊き込みご飯 (Arroz de pato) を食べました。優しい味でとても美味しかったです。
このレストランは実は、アズレージョ美術館で売店が開くまでランチをしようと周りを探してやっと見つけたところでした。小さなお店でしたが、日曜日のためか家族連れで超満員、並んでまっている人もいました。もちろん地元の人ばかり。値段も中心部に比べてお得でした。



今回の旅で購入したものをご紹介します。

左前列のタイル画はオスーナの陶器屋さんで購入。エンカルナシオン修道院の壁画の五感の味覚を描いています。
左後列の青い箱はベヘールで購入。ベヘールはなぜかモロッコ製のお土産が多かったです。この箱もモロッコのもの、銀の装飾がありエキゾチックな感じがします。
左から2列目の緑と青のお皿。これもモロッコ製。両方とも透明釉薬が綺麗です。
前列中央のイワシが描かれた周りがコルクのコースターはファーロで購入。

後列中央の茶色透明釉がかかった陶人形はリスボンで購入。バルセロスのJulia Ramalhoの作品。2013年にバルセロスに行ったときに、陶人形を連れて帰れなかったことをずっと後悔していましたが、リスボンで出会いました。カラフルな陶人形よりも、ユーモラスな形で茶色一色の彼女の作品に惹かれていたので、リスボンで見つけて即買いでした。
隣の小さなマグネット3つは伝統柄のクエンカで、右端の本とともにアズレージョ美術館で購入しました。アズレージョ美術館の売店にはタイルの本がたくさんあり、悩んだ末にこの本に決めました。写真撮影不可だったマルケゼス・デ・フロンテイラ宮殿の内部の写真も掲載されていました。

2019 MM

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