スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

おながわ教室便り

宮城県女川町の女川教室より 工房や街のことなど、女川情報を隔月でお届けします。バックナンバーはこちら

【2021年4月号】
宮城県では3月下旬からコロナ感染者が急増し県独自の緊急事態宣言が発令される中、今年は例年よりも早く女川町内でも桜が咲き始めました。震災後に多くの方々のご支援で植樹された「桜」のご紹介と、震災から10年の節目に、ご支援くださった多くの皆様方に感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。(女川教室 阿部鳴美) バックナンバーはこちら

2021年3月11日

 甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から10年目の命日。この日は普段とは違う空気が流れます。

 スタッフと海岸に出向き、犠牲になられた方々のご冥福を祈り黙祷を捧げました。

 未だに行方の分からない方も多くいらっしゃいます。
 あの日からずっと帰りを待ち続けるご家族の元へ一日も早く帰られますように。

 さて、今年は全国的に桜の開花が早いようで、女川町内でも場所によっては3月末ごろから咲き始めています。

(女川町地域医療センター2021.4.1撮影)

 桜は「町の花」に指定されていて、震災前は役場や学校、公園、商店街など町にたくさん植えられていましたが、その多くは津波で流されてしまいました。

 せっかく生き残ったのに残念なことに復興工事のために伐採されてしまった桜もあります。

 現在、女川で桜を楽しめる場所はまだ多くはありませんが、震災で失われた桜を取り戻し、女川町を再び桜で彩ろうと、町民有志でつくられた「女川桜守りの会」や、ボランティア団体、派遣職員有志の方々等多くの皆さんのご支援で、公園や住宅街、女川駅周辺等町内に桜の植樹が進んでいます。

 その一つ、「フェニックス救援隊」様のご支援で女川町地域医療センター敷地内には35本の桜が植樹されています。

 女川町地域医療センターは、海抜16メートルの高さにありますが、1階の天井まで津波が押し寄せました。

(女川町地域医療センター 海抜16メートルの駐車場からの眺め)

☆桜のオーナー様のネームプレートはスペインタイルです☆

 花のない季節もスペインタイルで明るく!と採用いただきました。

 植樹された桜の苗木は、1年1年ゆっくりでもしっかりと育っています。
 まだまだ数は少ないですが、今後も植樹は続けられるそうです。 何年先になるでしょうか~女川町を再び「桜が咲き誇る町」に! 毎年成長が楽しみです。

 植樹された桜の苗木は、1年1年ゆっくりでもしっかりと育っています。

 まだまだ数は少ないですが、今後も植樹は続けられるそうです。何年先になるでしょうか~ 女川町を再び「桜が咲き誇る町」に!
 毎年成長が楽しみです。

 =震災から10年、今想うこと=

スペインタイルと出会って無我夢中で過ごした9年。
教室の研修旅行でスペインに向け女川を出発したのは、2012年3月11日。
よりによってなぜその日なの?と後ろ髪引かれる思いでの参加でした。
私を誘ってくれた相方は直前に参加できなくなるという最悪の事態。
先ずは、一人で空港までたどり着けるかしら…という不安。
“被災地”から参加する私に対して皆さんに余計な気遣いをさせてしまうでは…という心配。
参加される皆さんにとっては楽しみに心待ちにしていたスペイン研修であり、私の心情とはかなりの温度差がある状況~どうやって埋めようか。
先生以外に知り合いもなく不安しかない、ましてや1年後の3月11日に出発だなんて…。

でもこれは運命だったのです。
震災から10年経過した今、スペインタイルが街の景色になっているなんて、あの頃想像もできなかったこと。
失くしたもの以上にとても貴重な出逢いや体験の中で、たくさんの宝物を得ました。
それは私たちにとって本当にとてもありがたい、かけがえのない財産です。
スペインタイルの技術的なことはもちろんのこと、様々な困りごとには常に的確なアドバイスをくださった船戸先生はじめ、上尾野辺先生、柳沢先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
いつも困ったときには頼ってばかりですが、先生方の応援がとても心強くて力が湧いてきます。
これからも引き続きお世話になりますが、末永くファミリーとしてお付き合いいただければ嬉しく思います。


いつも応援してくださる皆様へ

たくさんのご支援ありがとうございます!
お陰様で女川の街はとても元気になりました。
私達住民が元気に楽しく暮らしていることが、皆様への恩返しになると思っています。
コロナが落ち着いたらゆっくりと女川に遊びにいらしてください。
町内の名所を観光案内させていただきますので、お越しの際はぜひご連絡くださいね!
皆さまにお会いできる日を楽しみにお待ちしております。

宮城県女川町みなとまちセラミカ工房
阿部鳴美 
スタッフ一同

女川教室 (みなとまちセラミカ工房) HPはこちら