スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

2024.10月 スペイン北部への旅
第11回 ブラガ(ポルトガル) 後編

チバーエス修道院 (Mosteiro de Tibães)

ブラガ中心部から郊外6キロに位置し、40ヘクタールの敷地を持つ広大な修道院です。
起源は11世紀で、紆余曲折があり1834年に修道院は閉鎖され、その後何人かの手に渡り、最終的に1986年に国が管理し修復、今に至っています。現在は修道院としての機能はありません。

ブラガ中心部からミニバスに乗車、途中からは未舗装の石畳の道を上下、左右に揺れながら到着。こちらはバス停前の道路です。








到着すると目の前に大きな広場があり、立派な十字架が立っていました。

修道院の横には教会があり、今も利用されているようでした。

修道院の入口。石畳が歴史を感じさせます。

回廊の周りには鮮やかな18世紀のアズレージョがありましたが、修復されたもののようです。

丁度回廊のアーチに陽の光が差し、アズレージョが1つずつ照らし出された美しい瞬間を見ることができました。

こちらは修復前のアズレージョのようです。



修道院の暮らしといえば、昔は自給自足でした。この修道院では広大な敷地の中、森、菜園、果樹園、牧草地、小麦栽培してパンを作る、オリーブの木からオリーブ油の精製、葡萄栽培からワインを作る、家畜を飼うなど、様々なことが行われてきたとのこと。

建物以外も見学できると聞いていたのですが、実際には建物を見学するような コースがメインとなっていて、外の様子はあまり見ることができず残念でしたが、少しは見ることができました。

建物間の移動中、遠くにアズレージョが見えたので行ってみました。葡萄棚?の下をくぐり抜けると...

紫陽花に挟まれた小道の奥にアズレージョのベンチがありました。

10月でしたがまだ紫陽花は咲いていました。

ベンチ側から修道院を撮影。

広いバルコニーのような場所に、石のベンチとアズレージョが。

このベンチに座ると菜園や果樹園が一望できます。

修道院が修復される前の写真がありました。かなり荒廃していた様子がうかがえます。上が修復前、下が修復後

修復写真の実際の場所。天井が特徴的で壁面にはアズレージョが。

こちらの長い廊下の左右には居室がずらっと並んでいて、誰もいないこの場所に立った時、凛とした空気感を強く感じました。

建物内部は現在使用されていないためか、家具などは殆どありませんでしたが、壁面のアズレージョは随所に見られました。



実際に使用されていた陶器類
修道院の名前入りのお皿もありました
幾つかあった中庭の内の一つ

苔むした石畳。いずれ修復されたら、ここもコンクリートで舗装されるかもしれません。

外には泉や小さい建造物、アズレージョもあったようですが、見学できず残念でした。見学コースの案内として矢印看板があったのですが、気づかず見落としたかもしれません。
敷地が広すぎて勝手に散策すると迷子になりそうです。今まで見学した修道院の中では1番の広さだったと思います。

都市部の修道院は広くなく、ある程度広い地方の修道院でも公開される範囲は限定されていて修道院の暮らしまで感じられるところは少ないため、こちらでは貴重な体験ができました。

大聖堂 (Sé)

12世紀に建てられ、以後数世紀にわたり増改築が重ねられ、ロマネスク様式からバロック様式までが混合する姿となっています。





扉のように見える緑の部分は実際の扉ではなく、アズレージョで描かれたものでした。



聖マルコス病院教会 (Igreja do Hospital de S.Marcos)

街の中心部の広場に印象的なファサードを持つ、18世紀に建てられた病院兼教会があります。現在は病院の機能はなく、向かって左側が薬局、中央が教会、右側がホテルになっています。

このファサードの写真をみて一目ぼれし、このホテルに宿泊を決めました。

ホテル内の入口近くのタイル。ゴールドのような色合いでした。
タイルのアップ写真

ホテル内のタイル。スペインの国営ホテルのようなクラシックホテルを想像していたのですが、1階部分には古い箇所もあったものの客室には全くなく、普通のホテルでした。





タイルのアップ写真

街なかのタイル

ポルトと比較して、外壁全体がアズレージョで覆われている建物は少なく、部分的に使われていることが多かったです。

黄色の背景が目立つアズレージョ
こちらは面白い形でした
緑一色と思いましたが、近づくと模様がありました

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手作りの陶人形を扱ったお店のショーウィンドウです。陶人形で有名なバルセロスが近いのでその製品かもしれません。

時間がなくて店内に入らなかったのが悔やまれます。折角だから一緒にどれか連れて帰りたかったと今になって思います。

街の様子

アルコ・ダ・ポルタ・ノバ (Arco da Porta Nova)

18世紀に建てられた街のメインゲート。かつての街のシンボル「塔の聖母」像がアーチの上に見えます。


サンタ・バルバラ庭園 (Jardim de Santa Bárbara)

イタリア・ルネサンス様式の庭園で、中世の城壁・大司教館が後ろにあります。

バカリャウ・ア・ブラガ (BACALHAU À BRAGA)

干し鱈の肉厚な部分を素揚げし、炒めた玉ねぎをのせて、オリーブオイルとビネガーで味付けした文字通りブラガ発祥のお料理です。

付け合わせのポテトがすごい量でした。ビネガーのおかげか、思ったよりはさっぱりしていました。

第12回 オレンセ、レオン、バリャドリッド へ