スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

2024.10月 スペイン北部への旅
第3回 トロ

トロ (Toro)

サモラから東へ約30キロ余り、人口約9000人の街です。
サモラからバスで約30分のこの街は、高品質なワインの産地として有名です。



サンクティ・スピリトゥス・エル・レアル修道院
(Monasterio Sancti Spiritus el Real)

14世紀初頭に設立され、700年以上の歴史がある修道院です。
ポルトガル女王の立派なお墓や美術館がありますが、ガイドツアーのみの見学となります。

昔は300人以上の修道女の方が生活していましたが、現在は7名とのこと。昔のタイルがオリジナルのまま存在すると聞いて訪問しました。


古い門がありましたが、実際に利用した入口は別の門でした。

15世紀に亡くなられた初代司祭のお墓の装飾

ヨーロッパでは床のお墓は珍しくありませんが、全てタイルで覆われた墓は初めて見ました。 クエンカタイルで、このデザインも初見でした。青地に白いお花のようなデザインがとても上品です。

お墓のある部屋にあったクエンカタイル
同じくお墓の部屋にあったマヨルカタイル

回廊
回廊の天井。木材に細かい装飾があります
回廊にあったクエンカタイル装飾


お墓と同じクエンカタイルも使われていました
小さい聖堂の木の扉を入ると
床に八角形の星型にクエンカタイルが 並んでいます
かなり摩耗していますが、鮮やかな黄色と緑色がわかります
星型の中心部分にあったタイル、こちらも黄色が鮮やかです
祭壇土台の装飾

聖堂の壁には鮮やかな絵が描かれていました。かなり剥げてしまって一部分しか残っていませんが、印象的な絵でした。

食堂 (REFECTORIO) です。奥行きが40m近くある大きな部屋でした。テーブルはクルミの木からできていてオリジナルとのこと。
食堂は以前プラセンシア、セビリアでも紹介しましたが、かなり雰囲気が違いシンプルで厳かな感じでした。 かつては沢山の修道女の方が食事をしていた姿が目に浮かびます。

食堂には3つの出窓があり、それぞれにタイル装飾がありました
こちらもまた、お墓と同じデザインでした

食堂の手前の部屋には、当時使用されていた食器や調理器具等がありました。



修道院内の教会。
祭壇の天井はムデハル様式、壁には鮮やかな絵が描かれていました。



街なかのタイル

サモラと同様に、一般住宅の窓の下にタイル装飾がありました




素敵な家を発見。2階の角のテラスが張り出した下にはタイルがあり、テラスの壁にも大きなモザイクタイルのようなものが見えました。


「Vino」はワインの意味。赤色が赤ワインを連想させます。

街の様子


ワインの産地らしく樽が飾られています

ワインの看板

街の中心の通りは1階が柱廊になっており、多数のBarがありました。

Barの前にはテーブル代わりのワイン樽が置かれていましたが、 この日は雨だったため閑散としていました。

街のあちこちに「Bodega」(ワイン醸造所) がありました。


ワインショップ。日本で購入するよりかなり安価ですが、重いので購入しませんでした。

中心の通りにある時計台の塔
珍しい木組みの家
街で一番大きいサンタ・マリア・ラ・マヨール教会
(Colegiata Santa Maria la Mayor)

お城

街は高台にあり、ドゥエロ川と橋の遠景を見ることができます

修道院近くの道からみた風景。激しい浸食をうけた粘土質の土が見られ、手前にはウチワサボテンが生えていました。 

第4回 シウダー・ロドリゴへ