スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

2019.4〜5月 スペイン・ポルトガル タイル巡り
第2回 セビリア前編

セビリア

アンダルシアの州都で人口70万、スペイン第四の都市。ツアーでよく訪れる観光都市としても有名です。今回は素敵なタイルがあるという教会、修道院を巡りました。


サンタ・クララ修道院(Convento de Santa Clara)

現在は修道院としての機能はなく、建物は展示会等に使用されています。私が訪問したときも水彩画展が開催されていました。

広い中庭があり、その周りの廊下の壁にクエンカタイルがぐるっと一周しています。柄も違うので見ていて飽きません。

壁のタイルのアップ。
今まで色々なクエンカタイルをみてきて建物は違えど、結構同じデザインの物も見ましたが、この下のお花のデザインは初めてみました。
クエンカタイルの上にアラブ風のアーチと 彫刻デザインがありました。
マヨルカタイルもありました
天井のタイル、こちらもクエンカタイル。色々なデザインがありました
中庭の床にあったマヨルカタイル

廊下から各部屋に入ります。
この部屋の入口アーチ、内側の部分にはタイルが貼られていました。
曲線にタイルを貼るのは難しいと思います。部屋の前から撮影。

部屋の内側から撮影。
アーチ外側の壁部分にもクエンカタイルがありました。
そしていよいよ目的のタイル。ここは修道院の食堂(REFECTORIO)にあたります。食堂のタイルは以前2015年にプラセンシアでも紹介しました。プラセンシアの食堂はマヨルカでしたが、こちらはクエンカでした。入口のタイルです。
入口から見た全景です。
コの字型に3面にクエンカタイルが貼られていました。
中央のモニターと下の茶色の複数個のスツールは開催中の水彩画展用に置かれていた物で、食堂とは関係ありません。
奥の窓に近い部分。壁にそって椅子と机があるのがわかります。
プラセンシアの食堂と同じ形式です。
左側の壁の所に、演台のようなものがあります。ここに人が立って聖書?等を読み、それを聞きながら黙って食事をしていたそうです。
窓の周りの部分にもクエンカタイル
窓の下の部分のアップ
本当にびっしりとタイルが貼られています。 部屋の大きさや机の数から 一度にかなりの人数が食事できたと思われます。

壁の部分のアップ。上のお花のタイルも初めて見ました。
側面の扉横の椅子が良くわかります。
椅子のアップ。椅子の側面や正面にもタイルが貼られています。
椅子の座る部分にもタイルがありました。
椅子部分を正面から撮影
床部分

カルトゥハ修道院
(Monasterio de la Cartuja de Santa Maria de las Cuevas)

かつて航海前にコロンブスが宿泊した場所でもあります。
同じ敷地内に1982年まで陶器の製造工場が稼働していました。現在でも大きな煙突や窯が残っています。そして1997年から修道院の部分は、アンダルシア現代美術館になっています。

正面入り口。建物の前に池があります
最初の門を通過すると第二の門の左側の窓に巨大な顔と手が。
アップ写真。驚きますが、これも現代美術を予感させます。
入ってすぐあったタイル画
またその奥の入口。上部に3枚のタイルがあります。
タイルのアップ写真。17世紀のタイル
修道院のバラ窓の周りにもタイルがあります。 16世紀のもの。

修道院内部の回廊。古いクエンカタイルがぐるっと貼ってあります。1500年前後に作られたとのこと、とても古いです。修復はあまりされていないようです。

お墓?のようです。17世紀のマヨルカタイル。

こちらも修道院の食堂(REFECTORIO)です。窓もなく、電気もなかったのでかなり暗くうまく撮影できませんでした。やはり両側の壁にマヨルカタイルがあり、椅子が壁に張り付いています。食事用テーブルはなく、椅子は新しく修復されているようでした。ここもかなり広かったので多くの人が座ることができそうです。

修道院の建物の一角。

陶器工場と関係があるのかはわかりませんでした。でもこのタイルが見たくてこの修道院にきました。白いアーチをくぐると中央の木の扉の前に部屋のような四角い空間があります。その壁3面には、上から下までぎっしりと横一直線にタイルがあります。クエンカ、マヨルカ、ラスター、透明釉薬を使用したものもありました。修復されたものらしく、とても綺麗でした。

庭園にあったタイル
陶器工場の門。上部にタイルがあります。
門のアップ写真
煙突や窯が残っています
陶器工場も残っています

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