フランスの結婚式(後編)

さて、フランス結婚式の後編です。しこたまシャンパンを飲んだ後、披露宴会場までハイヤータクシー(仏語ではナベット)で約1時間の移動です。パリ市内の凱旋門やシャンゼリゼ通りなど観光スポットを軽く流しながら、ほろ酔い気分での移動です。何て気持ちの良いシエスタ?でしょう。そして行く先はシャンティ城。競馬場で有名な地に佇む古城(仏語ではシャトー)です。この日はこの古城に併設されているホテルに宿泊予定です。到着後、チェックインを済ませて着物にお着替え。今回の披露宴では絶対に着物を着ようと決めていました。なぜか「日本の美を絶対にアピールしなきゃ!」と意気込む私でありました。
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無事着物に着替えてスタート時間の17時に会場に向かいました。が、まだ会場には入れず、庭でカクテルパーティ−が開かれていました。好きなお酒を片手に立食パーティ−(仏語でアペリティフ)です。
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驚くことに、なんとこれが3時間近く続くのです….。フランスの夏は夜22時くらいまで外が明るいので、17-20時なんて昼間のよう。全然夜って感じがしません。が、ずーっと立ちっぱなしなので、さすがの私も疲れてきて、たまりかねて妹に「一体何時に披露宴は始まるの?」と聞きました。すると「カメラマンの契約が4時間だから、その契約時間が終わったら始まるはずだよ。」との答え。意味不明。詳しく聞けば、披露宴が始まる前までの4時間で、アルバムを作るためにプロのカメラマンを雇ったとのこと。新郎新婦の乗る車が道に迷って到着が遅れたため(新郎父が運転する車。ほーら、シャンパン飲み過ぎでしょ。)、撮影時間が1時間くらい遅れたらしいのです。カメラマンは契約通り、きっちり4時間仕事を全うしないと帰れないそうなのです。さすがフランス、契約社会やね〜。
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ということで、すっかり疲れきっての披露宴スタートとなりました。日本だったらこの3時間で披露宴も終わってさぁ2次会、といったとこですよね。ちなみにフランス人達は、3時間立ちっぱでもへっちゃらそうでした。
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いざ披露宴がスタートと言っても、日本のように司会者がいるわけでもないので、ぞろぞろと席に着き、おもむろに料理が運ばれて来ます。カンパ−イの一言もなく、勝手きままに食べ始めます。前菜、メインを食べ終わると、突然生ジャズバンドがワルツを演奏し始めました。なんだなんだ、と思っていると、いつの間にか新郎新婦が立ち上がってワルツを踊り始めるじゃないですか!これにはさすがにビックリ仰天。あのダンスとは無縁の妹がワルツを踊っているとは!聞けば、この日のために猛練習したとか。
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さすがおフランス。ブルジョワの名残りか。ポカ−ンとあっけに取られていたのもつかの間、2曲め3曲めと演奏が進むたびに、好き勝手に踊りたい人達が参戦してきます。気づけば5、6組のカップルが気持ち良さそーに踊ってるじゃないですか。ここは社交界か。
ひと通りワルツを踊り終えると、そのままポップミュージックに演奏が代わり、皆また好き勝手に踊り始めます。そして最後はディスコミュージック。みんな汗だくでノリノリ。フランス人もやっぱり根はラテン人なんだ、と実感した一瞬でした。
その後、シャンパンタワ−?(ピラミット状に重ねられたグラスの頂点からシャンパンを注ぐ作業)が行なわれ、続いてケーキカット。ケーキはクロカンブッシュでした。写真の通り、ミニシューの積み重ねですね。フランスの結婚式では一般的らしいです。
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ちなみにその間のバンド演奏は「愛の賛歌」。エディット・ピアフを女性ボーカルが熱唱です。そしてそのミニシューが全員のお皿にサ−ブされると、今度は突然友人代表が仕切り始めます。フランス語がチンプンカンプンの私達は「?マーク」がいっぱいです。そのまま黙って見ていると、どうやら借り物競走が始まった様子でした。各テーブルから指名された人が、指定された「モノ」を求めて全速力で会場を駆け巡るのです。当然、みんな飲みまくっていてハイテンションです。途中で転ぶ人あり、会場内で借りモノが見つからずなかなか帰ってこない人あり。とにかく勝手放題、みんな楽しそーです。
借りてきた人から椅子に座れるのですが、最後のひとりになってしまった人には席がありません。結局はイス取りゲームなのね….。こうやって、どんどん人が減っていき、最後まで残った人が優勝です。この優勝者や2位3位の人は景品がもらえるのですが、日本のように旅行券や電化製品がもらえる訳ではありません。順位が決まると、予め、司会者がメモした紙が新郎新婦のところに回ってきます。そこには「優勝者には新郎新婦が新居にご招待、新婦の手料理でもてなすこと」や、「ビリの人は、新郎新婦が食べたい物を1ヶ月以内に必ずご馳走すること」などと書かれています。なーるほど、よく考えられられてますよね。これぞお金のかからない、ささやかなプレゼントですよね。日本もこれを見習うべし。
このようにして、披露宴と2次会のミックス?が夜中の3時まで延々と続くのでした。さすがに着物で夜中まで過ごした経験はなく、最後はかなり辛かった…。こうして長〜い披露宴が終わったのでした。
そして翌朝。睡眠時間3時間という短さで、私は早々にスペイン行きの飛行機に乗り込んだのでした。昼間にはスペインに到着、当然のごとく、ぐったりモードの私。ぐっすり・たっぷりシエスタをして、ドタバタ劇の疲れを癒したのでした。(長々とお付き合いありがとうございました。おわり)<KY>

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