今回はスペインの料理本をご紹介したいと思います。
私が現地で愛用していたのはこちら。
「季節の100種類のメニュー」というレシピ本です。
まず驚いたのは、全カラー、全写真付きだったこと!
日本では当たり前のことですが、スペインでは珍しいことなんです。
本屋さんで表紙に美味しそうな写真が飾られている料理本を発見して中のページをパラパラめくってみたら、なんと白黒で文字ばかり。たまに写真が付いていても白黒だったりするんです。これじゃ美味しそうとも思えないし、作る気なんてまったく起こりません。スペインの料理本にはガッカリさせられることばかりでした。
ところが!
この本の魅力はオールカラーだけではなく、構成もすばらしいのです。
1.春夏秋冬ごとに分かれている。
2.コース仕立てになっている。
スペインでは第1の皿(前菜)、第2の皿(メイン)、デザートの順で食べるのが一般的で、この順でひとくくりにされている。
3.写真が大きく、作り方の説明はシンプルでとてもわかりやすい。
つまり、春のコース1、秋のコース5のように構成されているので、その季節(旬)にあった料理をコースで作れてしまう、という優れものなんです。
デザートを作るのにわざわざ別のお菓子の本を見なくても済むし、季節外れの珍しい食材を遠くのスーパーまで買いに走ったりしなくてよいのです!
まったくのコースどおりじゃなくても、同じ季節内で「つまみ喰い」したっていいんです。
中でもお気に入りだったのは冬の前菜「カルド(西洋ふき)とカリフラワーのうま煮」。
メインはまさに「春」という名の煮込み。
デザートは冬の「ドライフルーツのタルト」。
どれも安上がりで美味しくて何度もリピートしたものです。
こんなに気に入って作っていたのに、実は日本では一度も作ったことがないんです…。
どれも日本では材料費が高すぎる&食材入手不可なのです。それに、日本にいると不思議とそんなにスペイン料理を食べたいと思わないのです。
地産地消という言葉があるように、やっぱりその土地で旬に採れるものを食べるのが一番美味しくて安くて自然な流れなのでしょうね。<KY>