前回に引き続き、スペインで見られるミニチュアの話題…
といっても、今回のものはご存知の方も多いと思います。
スペイン南部、アンダルシア地方にあるコルドバ。メスキータで有名なこの都市に「ポトロ広場」という小さな広場があります。
広場に面した建物には、昔ドン・キホーテの作者セルバンテスが泊まったという「旅篭屋ポトロ」があり、その一角が小さな観光案内所になっています。ちなみに「ポトロ」は「仔馬」の意味だそうで、写真の噴水に仔馬のモニュメントが付いています。
入場料などはなく、中をのぞくと写真のような、昔の宿場町を再現したミニチュアというかジオラマの建物がガラスケースに入っていくつも展示してあり、その部屋を抜けると奥に実物の「旅篭」があるのです。実物の旅篭といっても、昔の建物を見学用に再現公開しているだけなのど、泊まることはできませんが…
実物の建物は一階部分の馬小屋など、建物内部の見学が一部出来ます。壁が厚いので、夏は少しひんやりとして気持ちよいです。
人々が日常過ごした建物ということで、ミニチュアにしろ実物にしろ、壁のはげた感じ、いびつな木材など、なかなか味があります。私はもともと漆喰や土壁、陶瓦など自然素材のテクスチャーが大好きなので、余計に面白いのだと思いますが、普通はわざわざそれを目当てに行くまでの場所ではないでしょう。あまり興味が無ければ3分で見学も終わってしまいそうな小さな場所です。でも近くまで行かれた際はちょっと覗いて見るのも良いかもしれません。
ミニチュアは置かれた人物たちそれぞれにドラマがあって、見ていてとても楽しいです。写真は食事中の男性二人と給仕の女性。コップの中は赤く塗られているのでワインでしょうか。パンとチーズらしきものも。
テーブルの歪んだ板や、漆喰の剥がれた奥の壁、あちこち痛んだタイルの床。そしてご機嫌な男性たち。作った人、楽しみながら作ったんでしょうね。
ところで2枚目と3枚目の写真ですが、ミニチュアと実物の左側、同じ風景ですのでどうぞ見比べてみてくださいね。<R.K>