古九谷、柿右衛門、鍋島展

秋もだんだん深まってきましたね。

行楽の秋、読書の秋、食欲の秋。そして芸術鑑賞の秋。秋は短いのに忙しい…。

ということで私のお気に入り美術館のひとつ、渋谷区松濤にある「戸栗美術館」へ行ってきました。こちらは陶磁器コレクションが中心のこじんまりとした美術館です。今回観てきたのは「古九谷、柿右衛門、鍋島展」です。

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日本を代表する磁器絵付けの様式ですね。古九谷は石川県加賀、柿右衛門は佐賀県有田、鍋島は佐賀県伊万里の大川内山に窯元があります。

いずれも鮮やかな赤、青、緑、黄、紫などで絵付けした色絵磁器です。

一般的にこれらの磁器は食器などの道具としてではなく、「鑑賞用」として当時の幕府への「献上品」や、ヨーロッパへの「輸出品」として用いられていたようです。一般用に販売されることはほとんどなかったようですね。

特に17,18世紀頃のヨーロッパでは大人気だったようですが、こちらでもやはり食器としてではなく、美術品としての価値が高く評価されていました。

それが後に日本に逆輸入されるようになり、一般の愛好家やコレクターの手にも渡るようになっていったようです。

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近年のさまざまな研究結果により、古九谷の磁器は実は伊万里で生産されていたものが数多く存在する、という主張がなされているようです。今回の展示はその研究を裏付けるように、古九谷様式作品のキャプションはすべて「古九谷様式(伊万里焼)」と表記されていました。

どちらにしても陶工たちの技術は伝承される訳ですし、九谷から伊万里への職人のヘッドハンティング?もあったことでしょう。

古九谷特有の多彩色の華やかな色絵付けが伊万里に伝わって、伊万里でさらに技術が磨かれ、伊万里の港から「伊万里焼」として海外輸出されても何ら不思議なことではないと思います。そんな歴史を感じながら、いつもとは違った角度から精巧に絵付けされた陶磁器の数々を鑑賞できて、とっても有意義な時間が過ごせました。

ちなみに私は、九谷や伊万里の艶やかな色絵付けの磁器も素敵だなと思うのですが、やっぱり古伊万里や鍋島に多くみられる「青一色の染付け」が一番好きです。シックで落ち着きがあって心が和みます。

自宅の食器を見渡してみたら、圧倒的に「青」の食器ばかり!

意識していたわけではないですが、やっぱり青が好きなのでした(笑)。<KY>

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スペインタイルアート工房HP

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