ペルージャから電車で30分、城壁に囲まれた石畳の街並みが美しいスペッ(spello)を訪れました。
主な目的は
①サンタマリア・マッジョーレ教会にあるペルジーノとピントリッキオのフレスコ画を見ること
②その教会にデルータ焼きの古い床が残っているとのことでこれらを見ること
でした。
ところが行ってみると「10月まで修復のために閉館」との貼り紙が…。ガーン。わざわざ来た(と言ってもアッシジの隣町だけど。)のに残念…
気を取り直して街を散策してみました。すると街の至る所に花がきれいに飾られていて、家の玄関やバルコニーが美しくディスプイされています。
さらに美しい花の隣にはこれまた素敵なタイルプレートがいくつも飾られています。家の表札ではありません。訳すと"窓辺、バルコニーと花びらの路地"。これらの美しさを競うコンクール?が毎年行われているようで、上位入賞者にはこのタイルプレートが贈られるようでした。
言い忘れましたが、スペッロは「イタリアの美しい村」のひとつに数えられています。そして「インフォラータ」と呼ばれる花びらの絨毯を街じゅうに敷き詰めて春の訪れを祝うお祭りで有名な街。これに合わせてバルコニーコンクールも行われるのかな?ちなみに今年は私が訪ねた1週間前がこのお祭りで、その名残なのか、それともいつも美しく手入れしているのか、窓際の鉢植えやベランダのお花は皆、色とりどりに元気に咲き誇っていました。
こちらはタイルプレートが並んでいることから入賞常連者のお宅のようです。毎年描かれる花が違っていてどれも素敵!
さて。もうひとつの目的地に向かいます。城壁を出てすぐの場所にあるモザイク博物館です。
ここは元々駐車場を作ろうとしていた場所で、そこから2005年に大規模なモザイクタイルの遺跡が見つかったそうです。かなり綺麗な状態で広範囲に出土されていましたよ。説明を読むと、古くはアウグストゥス帝のローマ帝国時代(紀元前26世紀~)のもので、かなり裕福な貴族の館だったようです。発見されたモザイクの床は20もの部屋で仕切られています。これらを基に3D映像で当時の館を再現している様子が大変興味深かったです。
かなりのイケメン男子!
モザイクの模様ひとつひとつがかなり細密に出来ていて、デルータ焼きの陶絵付け職人にしてもモザイク職人にしても、ここウンブリアの人々は手先が相当器用だったことが予想されました。
旅の最後はデルータ焼きのお店へ。お店の中でおじさんが絵付けしていて、素敵な色合いにうっとり。
一番見たかった教会は見られなかったものの、丸一日楽しめた素敵な街でした。
スペッロの旧市街はデルータ以上に坂だらけ&石畳の凸凹道だらけ。訪れる時は歩きやすい靴で、体調は万全に!
ランチにワインを飲んでからの坂道はかなり息が上がりますのでご注意を。
スペッロはローマから電車で日帰りもできますが、私はペルージャを滞在拠点にし、毎日日帰りで美しい街をゆったりと楽しみました。隣町のアッシジにも行きましたよ。どの街もバスか電車で30分前後でアクセスできて便利です。ただ、ペルージャも城塞都市のため急坂だらけ。今回の旅で足腰がかなり鍛えられた気がします(笑)<KY>