フランスのポスター画家、レイモン・サヴィニャック(1907-2002)をご存知ですか?
エールフランスやティファールなど、商業ポスターなども数多く手がけた画家です。2002年に亡くなるまで約20年間暮らした街がトルーヴィル(Trouville)。ノルマンディーの海岸に面したリゾート地で、かつては裕福層の夏の保養地として人気を博したようですが、現在はパリから約2時間で気軽に行けるリゾート地として一般市民にも人気のようです。
この街に来た目的は、街じゅう至るところにあるサヴィニャックの絵を探しながら散策することです。今回はパリからの日帰り旅行です。
通常は観光案内所に併設されたギャラリーでもサヴィニャックの作品を見られるのですが、私が行った時はタイミング悪く改装中で閉まっていました。なんとその翌日からサヴィニャックの特別展をやるとか!(そんなこと、観光局のホームページには書いてなかったゾ)
ま、よくありがちな事なので気をとり直して散策スタートです。
観光案内所でサヴィニャック作品巡りマップをゲットした(日本語版)ので、これを見ながら散策します。まずはレストランや土産物店が並ぶ賑やかな通りに入ります。
あったあった、建物2階に「ようこそトゥルーヴィルへ」の壁画。
普通に街中に溶け込んでます。
こちらは「海水浴の女性」という題名のトルーヴィル市の看板。シンプルだけどユニークなデザインですね。
そしてレストランのガラス壁にも。「4匹の猫」ってレストラン、結構いろんな場所にあるのね…ガラスなので見えにくいですがかなりかわいい猫ちゃん達です。右下の猫はなぜかポットの形になっててコミカル!
続いて音楽学校の看板。よく見ると木板の上に直接描いているのがわかります。海辺の街なのによく朽ちることなく現存してるな~と感心していると、中からピアノの音色が聞こえてきました。今ももちろん音楽学校、看板は生活の一部なのですね~。
こちらは私が一番見たかった看板。アヒル?にヒゲ。っておじさん??
くちばしじゃなくて長い鼻?なぜ画家風ベレー帽?と疑問符だらけのヘンテコおじさんですが、すごくユーモラスでかわいい!
さて、そろそろ街中を出て海岸沿いを歩きます。こちらには「プロムナード サヴィニャック」という散策路があり、道沿いにサヴィニャックのポスター画がずらりと並んでいます。
街中にはなかった企業広告に使用されたもの、地元公共機関の看板などバラエティー豊かな作品に出会えます。実は表裏両面に別々の作品が飾られているのですが、裏面はことごとく逆光で写真を上手く撮れませんでした。なので綺麗に撮れた作品の一部をご紹介します。
散策路の途中、ホテルの壁にサヴィニャックの絵を見つけました。
晩年のサヴィニャックとホテルのマダムに深い親交があったようですよ。ホテル内にも作品があるようなので一泊こちらに宿泊してもいいかな、と思っていましたが、シーズンオフなのにホテルは満室。諦めて日帰りすることにしたのでした。
最後はお月様。トゥルーヴィルに着いてすぐに見つけたのに、高い所にあって近づいても写真に収まりません。街中歩いていたらたまたま裏手の坂道から見下ろす感じでたどり着きました。
サヴィニャック作品は街じゅう9か所に点在しています。地図通りにすべて巡って約2時間半かかりましたが、とっても楽しい散策でした。<KY>