2019展覧会作品「タイル工房」5

前回に続き今回は窓を作ります。

スペインではタイル貼りの階段をよく見ます。今回のハウスは折角の2階建てなので、フルサイズのタイル貼り階段を作ります。

階段の蹴込み部分(踏み板に足を乗せて、つま先の奥にある部分)をタイルにします。
踏み板はタイルではなく木にしました。今回の形状だと踏み板は三角になる部分が多く、作りづらいこともありますが、板にした方が蹴込みのタイルが目立つかなと。

まずは図面を作ります。
ただの直線階段なら簡単ですが、今回は六角形の壁に沿わせて二度曲がるため大変でした。
幅は作りやすいよう、床を4等分した大きさにしました。
斜めのグレーの線は2階床の端で、階段の上は吹き抜けになります。

数字は踏み板で1が低い方。
9と10の間に壁を開閉する蝶番がくるため、9と10の間で階段を分割します。
1から9は開閉する壁に接着、10と11は2階部分に接着します。

次に側面図を作ります。左右の桁に踏み板を乗せる方法ですが、壁側の桁と室内側の桁の形が違うため、それぞれ図を作ります。
もちろん建築は素人で、プロのやり方ではないから突っ込まないでくださいねー!
しかもミニチュア用だし、この通りに実物の家を作ったら崩れます…!

こちらは壁側。
一段ずつ同じ高さになるよう計算しますが、脳がパンパンになります…
最下段は壁を閉めた時に床に引っかからないよう、隙間を空けています。

こちらは室内側。
焦茶が踏み板、オレンジが蹴込みの下地板、ピンクがタイル、グレーは側桁です。

最初に側桁を作ります。図面通りに板を切り出します。

壁に貼っていきます。

続いて内側の側桁を仮置きして、蹴込み板を接着し、両側桁を繋ぎます。
開閉する壁はまだ本体に繋いでないので、寝かせて作業。

内側の側桁は宙に浮いた状態のため、写真のように間に木片など挟み、踏み板を接着します。
上の写真を裏側から見たところです。

組み上がりました! タイルを貼る前に着色します。
最上段が他より低く見えますが、2階床にタイルを貼ると他と同じ段差になります。

さて、蹴込みに貼るタイルですが・・・
初めは図のようにカラフルにする予定でした。

でも絵付して焼いてみたら全然素敵じゃなくて。
結局2パターンの色を交互に配置することにして、全て作り直しました。

1枚が約12mm角のクエンカタイルです。
クエンカタイルの説明はこちらのページをご覧ください。

さてこのハウスは天井が開きません。
内部を見るには窓やドアから覗くか、2つ上の写真のように壁を開けることになります。
壁と2階に分かれている階段がスムーズにつながっているか、壁を閉じて初めてわかるのですが
窓から覗いてもよくわかりません…

そこで壁を1〜2cm開けて、その隙間から撮ってみました。壁を開いた分の隙間はありますが 階段はなんとかつながっているようです。

次回は屋根をご紹介します。<RK>

タイトルとURLをコピーしました