ポーランドの陶器祭り

ポーランドのボレスワヴィエツ(Bolesławiec)という街に行ってきました!

みなさん、ポーランド陶器ってご存知でしょうか?

近年日本でも雑貨や食器をちらほら見かけるようになってきて人気ですよね!

ボレスワヴィエツはその陶器の生産地です。

毎年8月に5日間、陶器祭りが開催されているのですが、その初日に行ってきました。

場所はポーランドの南西に位置し、ドイツとチェコの国境にほど近い人口4万人の小さな街です。

5月くらいにホテルを予約しようと思ったら、この街のホテルは既にどこも満室…

仕方がないのでこの街から一番近い、比較的大きな街のヴロツワフ(Wrocław)に2泊することにしました。ここから電車で1時間強。まぁしょうがないか、と思っていたのですが…

結果、この街に宿泊してすごく良かったです!(こちらは次回のブログに書きますね!)

さて、当日は10時半ごろにボレスワヴィエツに到着しました。

街の中央広場がメイン会場で、駅からは10分もかからずに到着。

スタートは9時からとのことで、この時間はまだそんなに混んでいませんでした。各メーカーが広場にそれぞれブースを出店していて、正確には数えていませんが、おそらく20軒以上の陶器メーカーが出店していたのではないでしょうか?

一度にこんなにたくさんのポーランド陶器を見たのは初めてで、久しぶりにテンションが爆上がりしました!

デザインといい色使いといい、すごく好み。そしてすべてがハンドメイドで、ぽってりと厚みのある質感と民芸陶器のような素朴さもgood!これでレンジもオーブンも食洗機も使用可という実用性まで兼ね備えているのだから最強すぎじゃないですか?人気なワケですよね。

ただ、丈夫だからか、かなり重いという点が唯一の難点かも…

1200~1300度の高温焼成とのことなのでよく焼き締まってるんですね。

日本の手びねりの陶芸教室で作る器くらいの厚さと重さです。って伝わりますか?

バレンシア陶器と比べると厚さは約1.5倍、重さは2倍強といった感覚です。

こちらは陶器のお花屋さん!本物に負けず劣らず華やか!

こちらは全部木製のおうち!かわいい!!

ひとしきり全ブースを覗いてお気に入りを買ったあとは、この街の2大有名メーカーの本拠地へと向かいました。中央広場にももちろん出店していたのですが、たくさんの種類を見るにはやはり実店舗や工房に行った方が良いとのことでした。

それと、到着から1時間もしないうちにどんどん人が増えてきて、商品を手に取れないくらいの混雑になっていました…

どちらのメーカーも中央広場から歩いていける距離でした。(20~30分位)

まず最初に訪れたのは「ボレスワヴィエツ社」。街の名前を冠しているだけあって街を代表する老舗メーカーです。

建物の外には新作がデザインごとにきれいにディスプレイされたブースがいくつかあり、その奥の建物に「OUTLET」と書かれたプレハブ小屋がありました。

中に入ったらこんな感じでした…まさに陶器の山!山の真ん中あたりは手が届きませんでしたw

何がアウトレットなのかよく分からなかったのですが、とりあえず棚には20%オフの表示が貼ってありました。中に入った時はそんなに人もいなかったのですが、いろいろ物色しているうちにものすごい人混みになり、最終的にレジも長蛇の列でした…

帰宅してから調べて分かったのですが、器の裏のサインが手描きされているものが最高グレードの製品だとのことでした。

左側が最高グレードのサイン。手描きサインと品番とARTの文字。ARTという絵柄のシリーズとのこと。

右側はプリントされたロゴと品番のみ。

最高グレードと知らずに一目惚れしたのですが、正直ちょっと高いな(今回の買い物で一番高かった)と思いました。日本円で7,000円弱。直径15cm、深さ8cmのボウル。

ただ、ここで買わないと一生後悔する!と思って買っちゃいました。

どう考えても、これだけ深さのあるボウルの内側も外側もびっしり柄を絵付けするのは大変だし、デザインも緻密で色の発色も素晴らしい。高くても納得の商品でした。

2軒目は「ツェラミカ アルティスティチナ」。

1軒目を出た時点で、人混みと暑さで、すでに疲労困憊状態だったのですが、ここから10分くらいのところだったのと、このメーカーに一番行きたかったのでがんばりました。

結果、行って大正解でした!1軒目よりも大規模で、個人客より業者向けといった感じでした。ダンボールに商品をどんどん詰め込んで、そのダンボールを幾つもレジに持っていくスタイル。驚愕しました…こりゃホテルも満室になるよな、と思いました。

もちろん個人客も買えるのですが、レジの待ち時間がハンパなく…

とにかく業者買いが多いので、なかなか1人の会計が終わらない。30~40分くらい待った気がします。建物の写真の手前に白いテントと椅子が写っていると思いますが、その奥がレジで、このテントを余裕で飛び出るくらい長蛇の列でした…

でも納得の良い買い物ができました!

こちらのメーカーの品質には4段階グレードがあり、私が選んだのは全て「1Qlty」で最高品質のも。(こちらは事前調査済)

1~4Qltyまであり、全てシールで色分けされています。

オランダにもポーランド陶器を扱う倉庫のようなアウトレットがあって、帰宅後に行ってみたのですが、そこは2Qlty~4Qltyのものしかありませんでした。

1Qltyの商品もあったのですが、小売はしていないそうで、個人客は2~4のアウトレットのみの購入でした。

こちらのカップが2Qltyの水色のシール。

ただ、2Qltyと言っても、1と2の違いはパッと見では分からないレベルでした。

もちろんよーく見れば「あ~ここ、ちょっと線がズレちゃってるね…」と分かるけど、その程度です。

例えば、取っ手の下から2番目のブルーの小花が右にずれてる。でもここを持つわけだからあんまり気にならないな…

これなんかはまったくどこが2Qltyなんだろうか?強いて言えば中心が気持ちズレているのか??

ちなみに2が水色、3が緑、4が赤でQltyシールの色分けがされてました。2~4は全て同じ値段だったので、このアウトレットでは2Qltyの商品を買いました。(3も4も、2との差をあまり感じなかったです)

欠け、ヒビ、歪みがあるわけではないので、全然1Qltyと遜色ないと思いました。

手描きの良さをマイナスに捉える人は、もしかしたら気になるかも?

それにしてもどちらのメーカーの商品も質が高いし、その品質管理もしっかりしてるな、と思いました。

ポーランド陶器は、手作業によるスタンプでの絵付けが一番の特徴だと思いますが、(一部筆も使ってるし、塗りつぶし部分は筆です)ほぼ隙間なくバランスよくスタンプを押していくのも熟練の技が必要だろうなと思いました。

スタンプには昔から海綿を使っているそうですが、最近はもう少し強度のあるウレタンを使っているメーカーもあるそうです。

オランダのアウトレットには海綿のスタンプが置いてありました(が写真取り忘れました…)

割としっかりめの触感でしたが、顔料の含ませ方とか押す力とか、均一に色を出すのにはやはりコツがいるんだろうな~と思いました。

制作工程は、成形→素焼き→素地に直接顔料で絵付け→透明釉薬にくぐらせ→本焼き、のスタイルでした。焼成後はマヨルカ土みたいに真っ白ではなく、すこしベージュっぽい色味になります。

陶器祭り期間中はさまざまなイベントが広場で行われ、その中には絵付け体験もあるようでしたが、私は買い物だけでヘトヘトでした。(しかも荷物はどんどん重くなるばかり…もちろん途中でお茶休憩しました)

本当は陶器博物館も街の中心部にあるので行きたかったのですが、たまたま改装中で別の場所に移転していて、そこまで歩く気力が残っていませんでした…

この日は気温も午前中から30度近くあり、久々に炎天下にさらされてかなり体力も削られ、計画よりも2時間早い16時の電車でヴロツワフへ帰りました。

この街に泊まれたらもっとお祭りを楽しめたと思うのですが、宿泊地のヴロツワフがすごく素敵な街で、こちらの滞在も楽しみたかったので、後ろ髪引かれる思いでボレスワヴィエツをあとにしました…。

でも買いたいものはすべて買えたので大満足の1日でした!

次回はそのヴロツワフとクラクフ(ポーランドの古都)について書きたいと思います!<KY>

おまけ:帰宅翌日のお昼ご飯。和食にも合う~!毎日毎食がんがん使っていますが、オランダの750wのレンジでも全然問題なく使えてます!

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