先日、東京・横浜で開催中の二大エジプト展に行ってきました。混雑する夏休みを避けたのですが、まだまだ沢山の人! みなさん同じことを考えて行かれるのでしょうね。閉館前以外は、何時でも混んでいるようでした。
横浜ではアレキサンドリアの海底から発掘された品を展示する「海のエジプト展」がパシフィコ横浜にて9月23日まで開催中。海底から引き上げられた5mの巨像展示が目玉なのですが、大小に関わらず、よくぞ海の中で削れたり散らばったりして無くならなかったなあと驚きます。でも考えてみれば陸地にあるほうが、長い間に別のモノに加工されたり壊されたり盗掘にあったりして、残ることが難しいのかもしれませんね。
展示物は石類が多いです。海中で残りやすいのでしょう。会場の映像でアレキサンドリアの海底を見ることが出来ますが、見通しが悪く潮の流れは穏やかなようです。アレキサンドリアは昔から遺跡ダイビングスポットとして有名ですが、あまり見えなさそうです…
展示物は2000年も海底にあったなんて思えないくらい美しい状態で展示されています。遺物についた汚れを取り去る技術は素晴らしいです。
ただ。残念なことに色だけは残っていないんですよね… 陸上の遺跡でも雨ざらしの神殿などは彩色が消えていますものね。
この海のエジプト展、とにかく展示点数が多いです。普通の美術館や博物館では展示しきれなさそう。巨像を展示するスペースも必要だし、だから展示会会場で開催されたのでしょうね。出口では「靴ずれになっちゃった…」と仰ってる方がいました。これから行くご予定の方は、歩きやすい靴でお出かけ下さいね。
休日を有効に使おうと、そのまま上野の「トリノ・エジプト展」に向かいました。こちらは東京都美術館で10月4日までです。パシフィコ横浜のある桜木町駅から京浜東北線で一本で行けるのが魅力です。
トリノ・エジプト展はイタリアの「トリノ・エジプト博物館」の所蔵品展です。宝物類をはじめ、ミイラ棺、生活雑器など、様々なものが展示されています。海のエジプト展とは全然違った趣。
彩色も石材、木材の上などにたくさん残っていて、よくよく見るとメインの色は赤、青(緑)、黄色、黒、白の五色だけ。それなのに不思議なほどカラフルさを感じる彩色センス、素晴らしいです。陰陽五行の五色だなあと思ったのですが、三原色に黒と白、という基本中の基本色なのでしょうね。
今回、焼きものの展示は少なくて残念でしたが、2〜4千年も昔の人々の手業の数々はとても興味深く楽しむことができました。エジプト展は過去にも何度か見ているので今回は行こうか迷っていましたが、行って良かったと思います。<RK>