先日のルーシー・リー展に続き、彼女の工房で制作しその後独立したハンス・コパーの陶芸展に行ってきました。
彼の作品は自然の土の色のような風合いの物が多いのですが、形状には非常に気を配られていて、その独特な形がいつまでも印象に残りました。1950年代から70年代の作品ですが、ちっとも古さを感じないのは、何から影響を受けたにせよ、彼が自分ならではのフォルムを見つけていたからなんでしょうね。
展示品はポットや花器が多いのですが、部屋と部屋を分ける壁に開けられた穴を装飾するドーナツ型の円盤や、建物の外壁に貼るタイル(写真)など建築に関わるもの、ドローイングなど陶芸作品以外のものなどもあり、"大規模な回顧展"に相応しい内容でした。
ルーシー・リーとの共同制作作品ももちろん、ルーシー・リー個人の作品も展示されていました。続けて見ると、二人の作品は全く別のものなのに、質感の印象や形のシャープさが共通しているように見えて面白かったです。
この展覧会は東京・汐留のパナソニック電工 汐留ミュージアムで9月5日まで開かれています。私が行った日は35度を超える猛暑日だったのですが、美術館は空いていたうえ、ハンス・コパーの作品はどれも涼しげで、心地よい一時を過ごすことができました。<R.K>