廊下のリフォーム4

リフォーム中の廊下の壁、下半分のグレーの部分。ここに木を貼らなかった理由は…

タイルを貼る為です!

こんなに大きなタイル画を描けるチャンスってなかなか無いですよね?
計算すると15cm角タイルを99.5枚使用することになります。
もうワクワクしかありません!

しかし… さすがにこのサイズにいきなり絵付けをする勇気は無かったので、まずは習作を作ることにしました。

題材はスペイン南部グラナダにあるアルハンブラ宮殿。一番有名なサン・ニコラス展望台からの風景で、2005年に訪れた時の写真を元にクエルダセカ技法で作ります。

習作は15cmタイル12枚のサイズ。しかし2005年の低画素の写真から下書きを起こすのはかなり苦戦しました。さすがにこの写真だけでは細部が分からず、写真集なども駆使して何とか下書き終了。下書きだけで12時間…

オーソドックスな釉薬の他にエンゴーベ(化粧土)も使い、土っぽい感じや釉薬とのメリハリを意識しました。木は色別に5種類に分け、1種類ずつ絵付けしていきます。それぞれ光の当たっている部分と影の部分を作るので1種類につき3色用意し、暗い部分から絵付けしていきます。

崖もエンゴーベです。2つ上の現物写真を見ていただくと分かりますが、撮影した時間は中央の崖の右側が日影になっています。タイル画の中央にくる目立つ部分なので、暗すぎない方が良いと実際よりは明るくしてみました。絵付け段階では分かりませんが焼成すると差が分かると思います。

ちなみに崖の右側が明るい時、左側は暗くなります。午前中は下のようになります(撮影は6月)。両側に日が射す時間帯もあるのかな?

木は完成。自然物なので輪郭線からはみ出しても気にしません。いよいよ建物に取りかかります。

ここはコマレス宮、ここはクーボの塔、など一つ一つ確認しながら絵付け。アルハンブラを歩いた思い出が蘇ります。影の部分を含めて建物も5種類の色を使い分け。さらに汚れや石積みの線を顔料で書き加えます。

アップにするとこんな感じ。なるべく破綻なく描いたつもりですが、屋根の影になっている部分とかよく分からない… 次に行くことがあればもっと高画素で撮影しようと思いました…

こちらは焼き上がり。同じ部分です。
陶芸をされない方は驚くかもしれませんね、こんなに色って変わるんです!

全体だとこうなります。

習作とはいえこれはこれで自己満足できる仕上がりになったので、教室の展覧会に出すことにしました。(2017東京・2019大阪)
とはいえ展覧会に出すには少し淋しく感じ、上下に縁模様を入れることに。

15×5cmのタイルを上下6枚ずつ並べます。模様はアルハンブラ宮殿の漆喰細工からとり、「アルハンブラ」の文字を入れました。
下書きだけで1枚1時間半… テレビを見ながら延々と下書き。さすがに疲れて絵付け中の写真を撮り忘れました。

最後は額に入れて出来上がり。

上下の模様はこんな感じです。絵付けはスポイトを使って1枚30分… 下書き苦労したのに、楽しい絵付けはあっという間に終わってしまう…

習作が出来たところで廊下用の大きいタイル画に取りかかるのですが、思いのほか記事が長くなってしまったので次回へ続きます…! 楽しみにしてくださっていた方、すみません!

さて、こちらの作品は今は大事にしてくださる方のお手元にありますが、複数の生徒さんから作ってみたいという声をいただき、もうちょっと簡単なバージョンを教室で制作中です。自由制作でどなたでも出来ますので、楽しみにお待ち下さい。そちらは下書きに12時間もかかったりしないのでご安心を。

詳しくはFacebookにアップしていますので、どうぞそちらもお読み下さい!<RK>

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