前回に続き屋根を、以下の条件で作ります。
・建物に合わせて六角形にする
・取り外せる
・屋根裏に電源を仕込む
・棟に施釉瓦、他は赤瓦にする
・トップに風見鶏を付ける
出来上がりを真上から見たところ。今回はこちらを作る様子をご紹介します。
土台の板を切り出し、段ボールを使って屋根を支える部材の大きさや位置を決めます。
土台の左右に四角い穴がありますが、壁の真上にくる部分で
この穴を通して電気コードが下階へ行きます。電源は電池です。
形が決まったので本番の板を切り出し、土台にマスキングテープで仮どめします。
この土台は二階の天井になるので本体に接着しますが、屋根は土台に接着しません。
この板だけでは屋根を支えられないので、板同士を繋ぐ部材をカットして接着。
電気コードの通り道を確保するため、土台より浮かして接着する部分もあり、確認しながらの作業。
電気コードは土台側に接着します。
全部貼り土台から外しました。かなり重いぞ…
瓦を乗せる下地板を貼ります。
滑り落ち&反り防止で、しっかりくっつくまでマステで押さえます。
下地板が隣り合う辺には棒を貼ってから瓦を貼るため、面取りします。
写真の奥に転がっている棒をこの後貼りました。
それでは瓦を作りましょう!
これ以前の3回の展覧会では瓦の無い作品を作ったので、久しぶりの瓦制作です。
台形に粘土を切り出して、丸棒に乗せて乾かします。
しかし乾かす途中でカーブが戻ってきたりするため、たくさん作って、うまく出来たやつを使します。
大体同じカーブのものを重ねて焼きます。
屋根を部分的に着色したら瓦を貼っていきます。
まずは受け(下)側の瓦から。
下側の瓦は見えなくなるので、欠けたりヒビが入ったり歪んだりしたB級・C級品を使用します。
続いて上側の瓦も貼っていきます、こちらはできるだけA級品を使います。
今回とても難しかったのが、棟に沿った瓦を斜めにカットすること。
カットとは言っても割ることはできず、ほとんどヤスリがけでした。
しかし瓦の厚みは1mm程度。ヤスリがけの衝撃で簡単に割れてしまいます…
なんとか六面全部貼れれました! だいぶ削りましたね…
写真の日付を見てみると、貼り始めからここまで3週間かかっていました。
途中で瓦が足りなくなって作り足したのかな…? 記憶がございません。
屋根トップの穴は風見鶏を刺す穴です。
こちらは棟に貼る施釉瓦です。目立つ場所なので特級品!
施釉瓦も貼り終えました。こういう瓦の使い方、スペインでよく目にしますよね。
最後に「漆喰」代わりに工芸用の白い粘土を隙間に埋めていきます。
こちらは「窓」の記事で掲載した写真ですが、このように瓦の先端まで粘土で埋めます。
風見鶏はまた次回。<RK>