私は日本の陶器もスペインの陶器も、素朴でぽってりとした、いかにも手作り感が伝わって来るような器にとても惹かれます。
今回はそんな民芸陶器を作っている「出西窯」をご紹介します。
「出西窯(しゅっさいがま)」は出雲大社で有名な島根県出雲市から車で15分位東に行った所にあります。
この窯は、日本民芸運動を起した思想家、柳宗悦が提唱した「美の生活化」「実用美」「用の器」に共鳴し、手仕事による実用陶器の温かさと深い美しさを追究した器を作り続けている数少ない窯のひとつです。
材料の土、釉薬、水は全て地元で取れるものを使っています。
絵付けはほとんどなく、釉薬を掛けただけのシンプルな無地の器が多く見られます。
職人さんが作業しているのは釉掛け作業で、「杓掛け」という方法です。この掛け方が圧倒的に多いそうです。
焼き待ち棚には、ひとつひとつ丁寧に釉薬を掛けた器がずらり。
焼き上がると透明感のある美しい飴色、瑠璃色の器が誕生します。
まさに普段使いにもってこいの器の数々。気軽に使ってほしい、という職人さんたちの願いから、お値段もリーズナブル。
私が気に入ったのは、シンプルで現代風なデザインなのに制作行程は昔のままな所。職人さんの手仕事がそのまま器にあらわれていて、とても温かみのある所。
ずーっと暮らしの道具として長く使い続けたくなる器です。
もうすでにうちの食器棚の最前列に収納され、ヘビーローテーションで食卓に登場しています。
気に入った方は目黒区駒場にある「日本民芸館」(前出の柳宗悦が私邸と蔵を提供して設立)に行かれると良いですよ。随分前にこのブログにも書いた「小鹿田焼」の作品と共に少量ですが購入できます。
8/18〜24まで、松屋銀座のイベントでも販売するそうです。
ご興味のある方はぜひ一度、器を実際に手に取って感触を味わってみて下さいね。<KY>