アムステルダム国立美術館で開催中の「フェルメール展」に行ってきました!
史上最大規模と言われている今回の展覧会、なんとフェルメールの全37点の作品のうち、28点もが展示されています。
当然チケットは大人気で、2月頭の開催の直後に完売してしまいました。
待ちに待った展覧会、個人的な見どころとしては、門外不出のフリックコレクション(ニューヨーク)から来ている作品を見ることと、真贋が問われているナショナルギャラリー(ワシントン)の作品を見ること。他にも見たことのない作品がたくさん集結しているので、とにかく首をなが~くして予約日を待っていました。
全作品紹介したいところですが、今回は印象に残ったいくつかをご紹介します。
(今展覧会は全作品、写真撮影可でした、太っ腹!)
元々オランダ国内にある作品6点は何度か見ていましたが、やはり「真珠の首飾りの少女」(マウリッツハイス美術館:デン・ハーグ)は力のある作品ですね。いつ見てもその瞳に惹きつけられてしまいます。
そして「デルフトの眺望」(同マウリッツハイス)。
こちらは現在も美しいデルフトの街の風景が当時から変わらぬままであることがよくわかる、とても静かで穏やかな気持ちになる絵です。フェルメールは風景画を2点しか描いていませんので、貴重な1点です。
少し前に日本を巡回していた「窓辺で手紙を読む女」(ドレスデン国立古典絵画館)も来ていました。
今まで無地の壁だったところに突如キューピットの絵が現れ、物議を醸して話題になってましたよね。フェルメール以外の何者かが壁を塗りつぶしたという結論で、下絵が掘り出されたわけです。
これと同様に、ごく最近の調査で壁に下絵があることがわかった作品もあります。
それが「牛乳を注ぐ女」(アムステルダム国立美術館)です。
後ろの壁の右側上部にはデルフト焼き風の水差しが吊るされたハンガーラックが、同じく右側下部には植物の茎で編まれたカゴのようなものが描かれていたことが2022年秋に明らかにされました。それを知った上でこの絵を見ると、なんとなく壁にその絵がうっすら見えてしまう錯覚が…
それにしても技術の進歩はすごいですね、なんでも透視できてしまう…
さて、続いては真贋問われている2点を見てみましょう。
「赤い帽子の女」と「フルートを持つ女」(いずれもワシントンナショナルギャラリー)どちらも縦横20x18cmくらいのサイズで非常に小さな作品。
これが噂の作品か!と身を乗り出してまじまじと見るも、真贋が分かるわけでもなく。判断がつかないままの方がかえって魅力が増してくるのが不思議なところ。
そして最後に紹介するのは(ニューヨークフリックコレクション)所蔵3点のうちの2点。
「士官と笑う娘」と「中断された音楽の稽古」
ニューヨークに行くことがあったら絶対に行ってみたいと思っている素敵な邸宅ミュージアムですが、なんと現在、大規模改修中とのこと。
この絶好の機会を逃さず、門外不出の作品を借り出したアムステルダム国立美術館学芸員の皆さま、優秀すぎます。
この2点は少女の表情がとても柔らかくて美しい。微笑んでいる表情も、こちらをふんわりと見つめている表情もどちらも愛らしくて、思わずこちらまでニッコリしてしまった作品。
最後に、と書いておきながらもう一つ紹介したくなってしまったのでおまけでもう一つ。
「天秤を持つ女」(ワシントンナショナルギャラリー)
この女性の美しさもさる事ながら、指先から天秤、真珠のネックレスの質感まで細かく丁寧に描写されていて、これにはため息をつくばかり。人を惹きつける理由はこういうところにあるのかな、とこの絵も近づけるギリギリのところまで接近して見入ってしまいました。(縦横40x35cmくらいで小作品)
会場は完全予約制だったので人の頭で作品が見えない、なんてことはなかったのですが、作品がどれも小さいので、必然的に皆が絵に近づきます。スマホで真正面から撮ろうと思うとかなり辛抱強く待たないとベスポジを取るのは難しかったです。
なのでここに掲載した写真は斜めから撮った作品の歪みを補正加工したものがほとんどです。なので縦横比は若干実物と異なりますので、そこはご了承くださいませ。サイズ表記も上記理由で正確なサイズは載せていませんので悪しからず…
フェルメール作品の魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。
最後まで長々とお付き合いありがとうございました!<KY>
(個人のインスタグラムでは日々のオランダ生活をゆる〜く投稿しています)