兼ねてから訪れてみたかった、石川県の「金沢21世紀美術館」http://www.kanazawa21.jp/ja に行ってきました。
ここは2004年に新しくできた「現代アート」の美術館です。それまでは現代アートというと、抽象的で何だかよくわからない、という印象を持っていましたが、この美術館はそんなイメージを覆す、とっても開放的で楽しい美術館なのです。作品を「見る」というより「触って、体験できる」美術館です。
まず面白いのが、建物と公園が一体化しているところです。円形の美術館を囲むようにして周りに公園が広がっているのですが、公園を散歩していたら、いつのまにか美術館に入っていたという感じで、一体どこが正面玄関なのかわからない。あとで聞いてみたら「どこから入っても構わないんです。正面はありませんので…。」とのこと。それもそのはず、壁はすべてガラス張りで、方々に入り口がある。入り口が見つからなくて困ることはあっても、ありすぎて困ったことは、これが初めてでした。
この建物を設計したのは日本人ふたり組のSANAA。世界的に有名な建築を数多く手掛ける注目のデザイナーです。そうそう、我々スペインタイルアート工房の本校があるバレンシアの現代美術館(IVAM)の増築部分も彼らが設計しています。バレンシアに行ったことがある方はご存じかもしれませんね。
さて、ここで私がとっても気に入った作品をひとつ紹介しますね。 レアンドロ・エルリッヒというアルゼンチン人の作品、「スイミングプール」です。何と水を張ったプールの底を人が歩いてる!どうして??私も底に行ってみたい!と半ば興奮ぎみに水底に行ってみました。水底から上を見上げると、今度は上から覗いている人と目が合って思わずニヤリ。何と不思議な作品なのでしょう。
まるで子供のようにワクワクしてしまいました。ここでは詳しく種明かしはしないでおきますね。実際に行った時の感動が薄れてしまいますから…。
私が行った日は、平日にも関わらず、たくさんの人達で賑わっていました。公園を駆けずり回っている家族連れ、図書館でデザイン画集を眺めているカップル。そしてベンチ(これも作品!)に座って楽しそうに会話している老夫婦 。
この美術館で感じたことは「現代アート」とは理解するものではなく、単純に楽しむものなんだな、ということでした。 詳しい作品の背景などは深く考えず、ただ「面白い、楽しい、つまらない」という感情を皆が思い思いに抱ければそれでいいんですね。
もし現代アートに興味をお持ちでしたら、ぜひ一度行ってみてください。まる1日楽しめますよ。<KY>