ミニチュアハウスのご紹介

今回は私も11月の東京教室展覧会に出品した作品をご紹介します。はじめは違う記事にしようと思っていたのですが、前回のブログに書いた”失敗した粘土クズ”のゆくえを尋ねられることが多かったので… 確かに展覧会をご覧いただけなかった方には、あれがどうなったか説明しないと失礼すぎますよね。

私の作品はこちらのミニチュアハウスです。上からのぞき込んだところ。

11120501

前回の記事のあと、またたくさんのタイルを焼きました。普通のタイルは絵付けしている時が一番楽しいですが、ミニチュアハウス用のタイルは焼き上がったあとハウスに貼り付ける時が一番楽しいです。下の写真は瓦です。300枚くらい作りました。

11120502
11120503

瓦は綺麗なカーブを保ったまま焼き上がらないことが多いので、だいぶ余分に作ります。写真は下のタイルを貼っているところ。実物と同じような感じで、まず下の受け瓦を貼り、このあと上にかぶせるようにきれいな瓦を貼ります。

11120504

ミニチュアハウスを作ると「どこまで手作りなんですか?」とよく聞かれまが… 一応、全部手作りです。

こちらは土台部分。噴水の底と円柱の土台を貼ったところです。

11120505

床がほぼ完成したところ。上の青いタイルは立ち上がりの奥壁です。

11120506

噴水は写真のように貯水部分は八角形に成形した木材にタイルを貼り付けて作ります。サイズを合わせるためタイルにヤスリをかけまくりながらの作業ですが、こういう作業がいちばん楽しいです。噴水本体は粘土で一体成形ですが、噴出口だけ別に作って接着剤でつけました。

11120507
11120508

さて、やっと始めに書いた「失敗した粘土クズ」ですが… 正体は円柱でした。柱は写真のように土台・円柱(タイル部分)・円柱(木材部分)・柱頭部分とパーツを分けて作りました。これらをボンドでくっつけるだけでは強度に不安が多すぎるので、穴を開けて芯になる棒を通してあります。この棒用の穴をドリルで開けるのがうまくいかなくて… あれだけのクズが出たのでした。今回の制作で一番時間がかかった部分です…

11120509

柱頭の上にはアーチ壁を重ねます。あまり見えない部分でしたが、アーチの内側にもタイルを貼りました。

11120510

奥の壁にかけているタイル画は下の写真のような感じで絵付けをしました。ミニチュアのタイルは軽すぎて筆で触っただけで動いてしまうので、タイル片で四辺を押さえながらの絵付けです。絵付け方法は普通の大きさのタイルと同じ。「この壁にこのくらいの大きさのタイル画が欲しいな」というところから作るので、はじめにタイルのサイズを決めます。それから自分で撮ってきた写真などから、このサイズに合うようデザインを作ります。いろんなタイル画のデザインを組み合わせたり自分で適当に考え出したりしながら。

11120511
いきなり出来上がり写真になりますが、他の小物を作っていた時の写真が無いんです。撮影しながら作るような時間の余裕がありませんでした・・・

一枚目は上から見たところ。屋根を外してあります。真ん中は真横から見たところ。三枚目は奥の屋根の下部分です。長椅子、皿、トレー、コップなど、いろいろ作りましたが一番気に入っているのは長椅子の上に置いてある素焼きのボティホ(スペインの水筒? 気化熱でいつも冷たい水が飲めるというもの)です。実物と同じように作ったので出来上がった時に水を入れてみたのですが、吸い口の穴が小さすぎて水の張力が強くて出てきませんでした…

11120512
11120513
11120514

あとこれもよく聞かれるのですが、モデルは何ですか?という質問。特にモデルにした物件はないです。今まで見たものや写真などから、こんなのがいいな…と頭の中でラフを作ります。マイホームを建てる時と似た感じかもしれませんね。

ミニチュアコースを受講されている生徒さんでも同じものを作りたい…という方はいらっしゃらないとは思いますが(汗)、作り方はお教えしますので、気になる方はおたずねくださいね! <RK>

スペインタイルアート工房HP

タイトルとURLをコピーしました