南フランスにある陶器の村、ムスティエ・サントマリーに行ってきました。南仏と言っても海岸リゾートではなく、ヴェルドン渓谷というヨーロッパ最大で、かつ標高も最高地にある山深い中にある小さな村。
ニースからだと車で2時間半。バスだとエクスから1日1本運行しているようです。(ただしこの時期は週2便のみ運行とのこと。)私は今回、ニース在住のいとこ夫婦に車で連れて行ってもらいました。
ムスティエは、昔から豊富な水流と良質な陶土が採れたことから17世紀頃から陶器生産が盛んだったそうです。その後ペストの蔓延や度重なる戦争などで一時は村から陶工房が一軒もなくなり、産業は衰退してしまったそうですが、20世紀初頭に再建され、現在も伝統技法を守りながら生産が続いています。
この村は陶器で有名なだけではなく、国内で150ほど認定されている「フランスの美しい村」にも選ばれたかわいらしい村なのです。
岩山を切り開いたわずかな平地に村が作られており、村のど真ん中にはそれらの岩山から湧き出た渓流が流れています。
よくもこんな切り立った崖に村を作ろうと思ったな、と感心するばかり。
渓流沿いにはレストランが並び、川のせせらぎと共に食事を楽しめます。
とてもこじんまりとした村ですが陶器店やアトリエが沢山あり、マニアにはたまりません(笑)
こちらはぶどうの葉っぱが素敵なアクセントになっている陶器屋さん。
こちらのお店もディスプレイが素敵で思わず吸い寄せられてしまうほど。
とっても素朴なデザイン。食器として使い勝手も良さそう。
60x80cmくらいあったかな?陶器屋さんの隣の工房の看板タイル。
さらに立派な陶器博物館もちゃんとありました。ムスティエ焼きの歴史とデザインや色使いの変遷が分かりやすく展示されていて大満足。ちなみに村には観光客が結構いたのに、博物館には私達以外誰もいませんでした。
青の部屋。青一色で絵付けされた陶器達。
ガラスパネルやガラスケースは一切なく、むき出しの陶器達。
写真は撮っても良いけど、触らないでね、とのこと。
そう言われると触りたくなる〜。(ダメダメ。)
緑の部屋。緑を含んだ多色使いの陶器達。
変な顔がくっついてますね〜。
これぞムスティエ焼き。
ピンクの部屋。現代の色使い。
またも変顔発見!
かなり美しい博物館でした。壁の色分けで時代の変遷がわかるようになっていて、とてもわかりやすい展示でした。
バラのアーチが美しいお宅。壁のタイル画も繊細で素敵でした。
本当は村から5分ほど山を登ったところにある教会まで行きたかったのですが、突然の土砂降り雨に遭って車に避難。村の中は道が狭くて車は進入できません。今日じゅうにアプトという街に入らなければならず、時間的に無理となり教会は断念しました。眺望が素晴らしいのと、この村が栄えたのはこの教会が6世紀頃に修道士によって建立されたから、という歴史を知ってぜひ行ってみたかったのです。ムスティエ焼きもこの教会に来たイタリアの修道士から伝わったそうですよ。
これからアプトへ移動、そこで宿泊します。アプトも昔から陶器で栄えた街。次回はアプトと隣町のセニョンをご紹介します。<KY>