展覧会出品作品 (2017年オールドキッチン 7)

オールドキッチン6」の続きです。

3回目でカップボードの陶器をご紹介したので、今回はそれ以外の陶器を。

ミニチュア陶器は全て自作。基本的に教室で手に入る材料で制作しています。

陶器は三通りの方法で作っています。
1 手びねり
2 型押し
3 鋳込み

「手びねり」は指でこねて形作るものです。写真の麺棒やすり鉢がそうです。

麺棒(左)の取っ手部分と本体は接着していません。本体は中央が貫通していて、左右の取っ手を針金でつないでいます。陶器部分が回転する仕様です。

すり鉢(右)はスペインでよく見かける形のものを作ってみました。複数作るなら型を作っても良いのですが、一つしか作らないので手びねりで。

「型押し」は石膏で作った型に粘土を押し込んで作ります。主に皿などをこの技法で作ります。石膏型ももちろん自作です。

こちらは型押しのボウル。収納便利な重ねタイプ。
3タイプ作りました。左右は下部まで施釉、中央は下部は施釉しませんでした。また左2つと右は透明釉の種類が違います。

平皿も同じように作りました。

鍋も「型押し」で作ります。

こちらはここまでご紹介した赤土陶器の素焼きが終わったところ。このあと施釉して再焼成し、上の写真のようになります。
下に敷いているタイルの長さは20cmです。

変わってこちらはほとんどが白土で作ったもので、絵付けが終わりこれから焼くところ。敷いているタイルの長さは20cmです。

こちらは焼き上がり。
発色が濃くなったのが分かるでしょうか?

この平皿も「型押し」です。型は高台側で作ってあり、表側の土を指でこそぎとって凹ませて成形します。

このような膨らんだ形のものは「鋳込み」で作ります。型押しの場合、上で紹介したボウルのように、すっぽり抜ける形状でないと作れません。(全く作れないわけではないですが、私には難しいです)
鋳込みは2~3片に分かれる石膏型に、液状の陶土を流し込んで作る技法です。
ちなみにこちらはクエルダセカ技法で絵付けしています。

キャニスター。左はハチミツ入れ、同じ型で違う絵付けです。蓋も鋳込みですが、取っ手は手びねりで別付けです。
鋳込み型を作るのは大変ですが、過去に作ってきた資産があるおかげで、今回のような様々な陶器があるハウスが作れました。

ピッチャーは普段の生活で使う機会がほとんど無い反動もあってか、ドールハウスにはついつい盛り込んでしまいます。

これらも取っ手は手びねりです。
取っ手部分も鋳込めると楽なのですが、小さすぎて液状粘土を行き渡らせるのが難しく、どうしてもうまくいきません…

鋳込みでいちばん難しいのは粘土を鋳込む時で、○秒で注ぎ○秒経ったら流し○秒で正位置にして○秒で型を外す、というマニュアルをそれぞれの型用に作ってその通りに作業します。
時計とのにらめっこで来客があっても絶対出られません。また型が湿りすぎていると使えないこと、時間を測ってもうまくいかないこともあり、一つの型で一日に作れる数は一日2~4個くらいです。全て失敗して0個のこともあります。
それでも鋳込み型で揃った形が作れるのが嬉しいんですよね。

今回もお読みいただきありがとうございます。このシリーズ、やっと次回で最終回です。<RK>

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