孔雀のタイル画

今回は祖母が残してくれた更紗のデザインをタイル画に起こします。

祖母はすでに他界していますが、生前は常にものづくりをしている人でした。水彩画やパステル画、染物に和裁、陶芸もやっていました。

小さい頃からずっと一緒に住んでいたので、祖母が手仕事している姿をいつもそばで見ていました。私が家庭科の授業で浴衣を縫う課題もほぼ祖母に教わって完璧な浴衣が出来上がったし(笑)、図工でそれぞれの家の家紋を調べて彫刻で彫る課題もどこからともなく家紋集のようなものを出してきてくれて彫り方を教えてもらったことなど、助けてもらってばかりでした。

先日、叔母の家に遊びに行った時のことでした。祖母の遺品をほぼ叔母が持っていたので色々見せてもらっていた所、私が最近ハマっている更紗を模写した布がたくさん出てきました。祖母も更紗のデザインが好きだったんだ!と思ってすごく嬉しくなり、何枚か譲ってもらって持ち帰って来ました。

中でも孔雀のデザインがなんとも愛らしく、これをタイル画にすることにしました。布を裏返すと、「藍更紗 柏原 昭和56年8月」と書かれています。

昭和56年に模写したものだという古さにも驚きですが、柏原って読めるけど何だ?と思って調べると、大阪の柏原市のことらしく。柏原市は浴衣の注染(ちゅうせん)技法で有名で、国の伝統工芸品に指定されていることがわかりました。今でも職人さんがひとつひとつ手染めして作っているそうです。

きっと祖母はこの浴衣に描かれていた藍更紗のデザインを何かで見て、布に模写したんだろうな、と想像できました。

早速サイズを縦横45x30cmに調整してタイルに下書きし、まずは顔料でデザインの縁取り線をすべて描いていきます。

祖母の筆使いがすごく自然で伸びやかなことが良くわかります。不思議なのですが、自分の筆運びと違和感がなく、すごくスムーズに進みます。普通、見本を見ながら線を描くと、チラチラ目線が移動するので、何となくぎこちない線になりがち。ましてや初めて描くデザインなのに初めてな気がしないのはDNAなのか…不思議です。

顔料描きが終わったら一度焼きます。

その後シャーペン描きで色分けの境界線を作ります。

絵付け釉薬は、最初に焼き付けた顔料の黒線が透けて見えるように色透明釉薬を使用します。

今回はこの作業の途中まで。完成作品はまた次回のブログでご紹介します!<KY>

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