昨年「ヘアピンとボタン」の記事に書いた日本の陶土で他に作ったものをご紹介。
こちらは乾燥中のピアスやブレスレット用のパーツ。
素焼き→本焼きと2回焼きますが、素焼きはスペインタイルの作品と一緒の温度で焼いています。
下のベージュのパーツが、素焼き終了後。
奥の黒っぽいパーツは別の日本の黒陶土で作ったもので、こちらは既に完成しています。
施釉して焼き上がったところ。
結晶柄はスタンプで跡をつけています。溝のあるパーツは手彫り。
実は素焼きしたのはステイホームのころ。
お出かけ機会が減ってアクセサリーを付け無くなったため
やる気が出ず2年近く放置していましたが、昨年やっと施釉して本焼きしピアスに加工しました。
黒陶土のパーツはピアスとブレスレットになりました。
(ブレスレットはナツメ型の2個が陶土、他は市販のビーズ)
ピアスはなかなか個性的な感じなので使う機会が少なそう… と思っていましたが結構使っています。古代メソポタミアかエジプトのデザインだったと思いますが、本で見たものをなんとなく真似て作りました。
こちらも四角いパーツと紐止めパーツが黒陶土。他は市販のビーズです。
紐止めパーツは金属の素敵なものがたくさん市販されていますが、金属アレルギーで使えません。すると木製ばかりになってバリエーションが少なくなるので、陶器の紐止めパーツが作れるのはありがたいです。
アクセサリーパーツは全体に釉薬を掛けることが多いので
棒に通して吊るし焼きかステルツに乗せて焼くかになります。
棒は市販アルミナ棒の1mmサイズを使うことが多いです。
1mmのアルミナ棒はお高い割に割れやすいため、割れたものはステルツに再利用しています。
ステルツ(スティルツ・とち)は作品の下に置いて、窯の棚板に釉薬がつかないようにする道具です。
市販のステルツも使いますが、私は小さいものを焼くことが多いので自作のステルツばかり使っています。
こちらは先日の展覧会に出した小物類が焼き上がったところ。
左下の変形八角系のタイルは、隠れていますが市販のステルツに乗っています。
他は全て自作のステルツ。
右のサンタなどは割れた1mmアルミナ棒で作ったステルツに差しています。
ステルツの作り方は簡単で、粘土にアルミナ棒やカンタル線を刺して焼くだけです。
教室で使うステルツも作りました。
カンタル線をいただいたことがあったので、実験的に作ってみたものです。
まずカンタル線をペンチで、先が尖るように斜めに切ります。
これ、恐ろしく硬いです。
カンタル線の太さにもよりますが、握力が弱い方はカットできないかも。
同じ長さのものを3本ずつ選んで組にします。
粘土のかたまりに刺すだけでも出来ますが、同じ大きさに作った方が使いやすいので型抜きを使いました。
雪の結晶の型で抜き3本切り落として成形します。
反らないようにタイルで重石し乾かします。
スペインタイルと一緒に一度焼いて(約950〜1000度)、その後約1200〜1260度で本焼きします(※日本の土を使用)。
上に出てきたアクセサリーパーツなどと一緒に焼くので、その時に使った釉薬の推奨温度で焼いています。
右が本焼き後。だいぶ縮みます。
丈夫にするための本焼きですが、縮むためにヒビが入ることも。
このまま使うのは危ないので割ってカンタル線を取り出し、再利用して作り直します。
とはいえ1200度で焼くことは年に1回あるかどうか。作り直しはいつになることやら…
もしこの記事を見て自作される場合、教室で販売しているスペインの陶土を使うなら1000度以下で制作・使用してくださいね。1200度で焼くと溶けてしまいます!
またカンタル線やアルミナ棒は陶芸専門店でお買い求めください。
教室の窯は1000度以上で焼くことはありませんが、大事な作品を乗せるものだから丈夫にしたく、教室用のステルツも日本の土を使い1200度で焼きました。
ただし作る労力を考えれば普通サイズのステルツは市販品を買った方が安上がりですよ!
自分でなんでも作ってみたい!という方にはお勧めです。<RK>