2015年の東京展覧会出品作品をご紹します。
私は毎回ミニチュア(ドールハウス)を作っていますが、2015年はハウスも陶器で作りました。しかし木工ならともかく陶芸はほぼ素人……。失敗を繰り返しなんとか形にはしたものの、イメージ通りというわけにはいきませんでした。
コンセプトはティーポットの形の紅茶屋さん。絵本や子供のおもちゃの世界なので、あまり現実感の無い装飾にしました。高さ27cm。
今回は家本体の制作過程をご紹介します。
注ぎ口を作ります。数年前のことなので記憶にありませんが、形を作ってから内側をくり抜いたと思います。形崩れを防ぐためにボトルに乗せて半乾燥中。粘土は黒っぽい色ですが、焼くと白くなります。
続いて胴部分。床を作り壁を積んでいきます。乾燥が進みすぎないようラップをかけています。
だいぶ積み上がってきました。ここまで数日かけています。連日では作業できないため、作業していない時は全体をビニールで包んでおきます。
胴部分が出来たら、注ぎ口との接合部分に穴を開けて、注ぎ口を接合。
取っ手を作ります。実際にこれを持って持ち上げることはしないので、華奢な作りです。持ち上げても形崩れしない程度になったら胴に接着。
窓とドア部分をくり抜きます。
ドア枠(ファサード)制作。歪まないよう板で押さえて半乾燥させます。こちらも歪まない程度に乾いたら胴に接着。
壁の下部分はタイル貼りをイメージし、目地線を入れます。壁に貼られているように見えるように段差も作ります。上部の壁はざらつきがあるような壁にしました。覚えていないけど、たぶん歯ブラシで叩いたような…?
窓の周りに葉っぱを付け、壁に木を生やします。
玄関の上に店名を。tetera、単にティーポットの意味です。
同時進行で屋根も作ります。型はスチレンボードを削って作りました。粘土を置いて整え、取っ手を付け、歪まなくなったら型は抜きます。それから瓦を貼ります。瓦は粘土に顔料を混ぜて着色したものを数種類つくり、ランダムに貼りました。瓦は石膏型を利用して同じ形になるように作りました。
さて焼き上がった本体に釉薬を掛けます。今回は吹きつけたので、内側に釉薬が入らないようにマスキングします。(上部のビニール)
玄関エントランスの床タイル部分は違う釉薬で絵付けするので、陶画糊を塗って釉薬が掛からないようにコーティング。
使用した釉薬はマヨルカタイルのベースに使っている白色釉です。
こちらは吹きつけ後。白く覆われましたが、緑の粘土が透けて見えています。
屋根も同じように釉薬を掛けます。1枚目が掛ける前、2枚目が掛けたあと。取っ手の天面の茶色は陶画糊です。
マスキングを取って、窓の内側枠にモザイク模様を入れます。クエルダセカで直接絵付けしました。写真に写っていませんが、上のほうが大変でした…
壁は顔料をスポンジでパッティングし、カラフルに。
ドアファサードの内側もパッティング。床のタイルも色を付けました。外壁のタイルは筆で絵付けしていきます。
これで絵付けは終了。再度焼成します。焼き上がると1枚目の写真のように、若干乳白色になります。
長々とお付き合いありがとうございました。次回は床と小物類をご紹介予定です。<RK>